ドラマ『最高の教師』TikTokアカウント大成功の裏側 “演者目線”でのコンテンツ制作が生み出す効果とは
「Z世代のクリエイターの才能を伸ばす手伝いがしたい」
ーーTikTokの反響のなかで、印象的だったものを教えてください。
米永:お仕事で関わるクリエイターの方や、同世代の友人が「TikTokで興味が湧いて、作品を観てみた」と言ってくれたことですかね。実際に、観るというアクションまでつながっていることが嬉しかったです。
ーーでは、ドラマの公式SNSをプロデュースするうえで、気をつけていたことはありますか?
関戸:映し方はすごくこだわった部分かもしれません。自分の動画でも、映りが悪いと「ビジュが嫌だな」と思ってバッサリ切ってしまうことがあるんです。だから、ただ面白いだけでなく、それぞれの見え方を際立たせることは意識していましたね。編集の部分では、オタク目線のコメントを入れることが多かったです。「可愛い!」とか「かっこいい!」とか。すると、必然と視聴者さんからのコメントもそうなっていくんですよ。演者さんたちも読んでいるので、なるべく前向きなコメントをしてもらえるように、というのは意識していました。
米永:関戸さんは、演者さんとしての気持ちも分かるのが強みでもあるんですよね。
ーーそもそも、関戸さんと米永さんの出会いは?
米永:初めて関戸さんにお会いしたのは、2年前に私が別の会社に所属していて、その際にタイアップのお仕事を依頼したのがきっかけです。当時から頭抜けて編集がうまかったです。伝えなければならないことをいい塩梅で取り入れて、自分のなかでポイントを整理することができるのがすごいと感じていました。
関戸:いやいや。
米永:インフルエンサーさんは、いわゆる表立って活動するタレント性の高い方やコンテンツとして面白いものを作ることに長けたクリエイティブ能力の高い方など様々なタイプがいますが、関戸さんはクリエイティブにも優れていて裏方としても力を発揮できる方だと思っています。
ーーQREATIONは伊吹さんもそうですが、クリエイティブに強みを持つ方の才能を最大限に引き出して、テレビを含めた異分野のクリエイティブに活かしていくのが上手い会社だと改めて感じました。
米永:Z世代のインフルエンサーさんって、すでに経験値が高い方が多いんですよね。成長の波が来るのがはやいというか。関戸さんは、高校生のころから毎日3本ずつくらいの動画を編集してきたんですよね?
関戸:はい。
米永:そうなると、関戸さんの年齢ですでに1000本以上の動画を編集していることになる。これって、すごいことですよね。ただ、若い世代のクリエイターは、その先になにを目指すべきなのか? とさまよっている子が多い。なので、QREATIONはその才能を伸ばすお手伝いができたらいいなと思っているんです。
関戸:クリエイティブな部分を伸ばしていただける環境があることは、ただただありがたいです。あと、今までひとりでやっていたので、思い通りにならないことがとにかく苦手だったのですが……(笑)。今回、『最高の生徒』のチームで活動することになり、思い通りにならないことが逆に面白いんだなと気づくことができました。
米永:現場に入って大きな規模感でものを作っているのを目の当たりにするというのは、クリエイターとしてもものすごく大きな経験になったと思います。実際に感動的なシーンでは関戸さんも号泣してましたもんね。
関戸:そうなんです、みなさんの熱量がものすごくて……。改めてテレビドラマの現場を体感したことで、SNSとテレビにはまったくちがう良さがあると感じましたし、融合したらもっといいものが生まれるんだろうなと思いました。
米永:それはよかった! これから、もっと新しい可能性を広げていって欲しいなと思います。
関戸:このプロジェクトに関わる前は、目指すものが漠然としていたのですが、最近は自分で脚本を書いていたりして。裏方としては作りたいものを定めて、進むフェーズにきたなという感じがします。