5周年を機に振り返る、にじさんじ・EXゲーマーズの軌跡 7名が織りなす変幻自在の魅力
見どころ・笑いどころを生み出し続ける“ゲーマーズの絆”
ゲマズの7人に共通する得意ゲームジャンルといえば、やはりFPS/TPSなどのシューター系タイトルではないだろうか。
『PUBG: BATTLEGROUNDS』『Apex Legends』『Overwatch』『VALORANT』など、その時々の流行タイトルに通ずるメンバーが大勢を占めており、現在では大きな注目を集めるようになったVTuberシーンにおけるゲーム大会/企画にも黎明期から積極的に參加していた。
笹木はFPSタイトルこそをあまりプレイしたことがなかったものの、「スプラトゥーン」シリーズでは卓抜した実力をもったプレイヤーであり、それも含めればゲマズ全員が何かしらのシューター系タイトルに触れてきたといえる。
彼らが参加した大会やゲーム企画を挙げれば枚挙に暇がなく、その時々で“名シーン”を数多く生み出していった。ゲマズがここまでの人気を集めるようになった要因のひとつには、コロナ禍以前・以後隔てなく流行したゲーム人気・ゲームタイトルと、彼ら/彼女らの得意ジャンルや活動スタイルがピタリと符合したという点があるだろう。
『CRカップ』や『VTuber最協決定戦』といったさまざまな大会に出場するときには練習配信を欠かさず、そのなかで織り込まれる様々な雑談/舌戦/茶番の数々は、切り抜き動画を中心にハイライトとしてまとめられ、VTuberシーンを越えて「VTuberを知らないひとたち」にまで届くことになった。
もちろん大会以外でも日々の配信を通じて人気を徐々に集めてきたことは言うまでもない。ゲマズ同士でのコラボ配信はもちろんのこと、突発イベントやお願い事から配信に発展することもあり、気安さを感じられる仲の良さを見せてきた。いくつか例となる配信をみてみよう。
2020年11月18日、赤羽・叶・本間・葛葉らシリンソウの4人が「カレー作り」のオフコラボをした配信がある。かつてFPS大会出場のために力を合わせた4人が、この日はカレー作りのために集まったわけだ。
シリンソウは2019年12月中旬にもたこ焼きパーティーを開いており、1年ぶりの料理コラボということで気兼ねないムードでワイワイと配信が進むはず……だった。
「『シリンソウで次なにやる?』ってねぇやん(赤羽)とたこ焼きパーティの時に話してて、『ゲーミングカレーってのがあるよ』ってなって、時が流れたらゲーミングカレーの準備ができてた」
この日の「カレー作り」配信は、トニックウォーターで溶かした着色料で色付けされたオリジナルゲーミングカレーを調理して食べてみる、とんでもない食事企画だったのだ。
前述した言葉は同配信の終わり際に本間が語ったものだ。企画側の本間と赤羽に、叶・葛葉の2人が思いっきり振り回される格好となった。
「そもそも食べて大丈夫かどうか、トニックウォーターを飲めるかどうか、着色料を溶かしたやつが食べれるか。葛葉で試そうぜ」など冗談を飛ばしつつ、戦々恐々と調理を進めていく4名。実際に出来上がったカレーは、なんとも形容しがたい色合いのカレーだった。
出来上がったカレーの味見(毒見ともいう)をした4人だったが、色付けした七色が部分によって明らかにおかしな味がするようで、配信を見ているこちらにも伝わるレベルで困惑している様子が伝わってきた。
配信終了後に赤羽や葛葉が投稿した言葉によれば、青色の着色料は「えんぴつの味がした」という。にじさんじ内で行なわれた料理配信でも、指折りにヤバイ料理ができあがったのだ。
2023年2月4日、笹木咲はレオス・ヴィンセントとのコラボ配信で『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』を使った対戦企画をおこなった。
ただ単純に対戦をするのではなく、アポなしでにじさんじライバーに電話をかけ、かけた相手が育成したポケモンを借りてパーティを編成して勝負するという内容なのだが、やはり注目すべきは「だれに電話をかけるか?」というところ。
笹木は椎名/葛葉/叶の3人へ続けて電話をかけ、みごとにポケモンを借りることができた。アポイントも無いまま突然連絡を受けた3名全員が「さっきまで寝ていた」と話し、とくに葛葉が寝起き直後のかすれた声で通話に応じたのには、笹木もリスナーも大笑いしてしまった。
いつものように雑談と茶番を織り交ぜるゲマズのメンバーだったが、椎名と葛葉はそのあとにレオスからも電話をもらってしまう。ここで椎名はレオスを茶化して時間稼ぎをし、葛葉は「自分が貸したポケモンは~」とウソの情報を吹き込み、レオスをかく乱することになった。
その後の対戦中、葛葉から貰っていた情報と笹木が持っているポケモンが違うことにきづいたレオスは大混乱、しかも笹木が借り受けた葛葉のポケモンはレオスを圧倒して勝利を収めた。これにはおもわず笹木も「これがゲマズの絆だよぉ!」と何度となく声をあげており、大喜びしていたのが印象的だ。
もちろんこれは単なる意地悪ではなく、後輩のなかでもイジりやすいレオスということもふまえて、2人の対戦・配信を面白くしようと椎名と葛葉がおふざけを披露したというのが大きな要因になるだろう。とはいえ、リスナーたちからすれば、ゲマズというグループの絆や友情を感じずにはいられないワンシーンとなったのだ。