ポッキーダンスは令和でもバズるのか? 「ポッキーの日」と新たなARコンテンツから考える

ポッキーダンスは令和でもバズるのか?

顔写真を追加してみると……

 それでは実際に、ARキャラクターへ顔写真を付け加えてみる。写真はその場で撮影するか、もしくは自身のカメラロールからお気に入りの写真を追加することもできる。自身の顔写真だけでなく、たとえばお気に入りのキャラクターや推しの画像で試してみても面白そうだ。

 画像を決定したら、あとは場所を設定してミュージックスタート。キャラクターが踊っている間は自由にシャッターボタンを押すことができ、写真は自動的にカメラロールに保存される。想像以上にキャラクターがキレのあるダンスをするため、何度もシャッターボタンを押してしまった。

注目の機能は……

 何度も繰り返し楽しむことで追加されるスペシャル機能だが、筆者が個人的に印象深かったのが分身機能だ。分身機能では、1人でフォーメーションダンスをするような感覚を楽しむことができ、ARならではといえる。ON/OFFのボタン一つで自由に機能を切り替えられる点も、アプリの使いやすさを感じた。

 何度も繰り返し楽しむことで追加されるスペシャル機能だが、筆者が個人的に印象深かったのが分身機能だ。分身機能では、1人でフォーメーションダンスをするような感覚を楽しむことができ、ARならではといえる。ON/OFFのボタン一つで自由に機能を切り替えられる点も、アプリの使いやすさを感じた。

令和版にリバイバル?

 特筆すべきが、「ハイ!ポッキーAR」でも使用されている楽曲についてである。今回ダンス中のBGMとなっているのが、令和版となってリバイバルしたORANGE RANGEの「おしゃれ番長 feat.ソイソース」だ。歴代のポッキーCMでもお馴染みの同楽曲を、SNSを中心に話題のアーティスト・ナナヲアカリが歌唱している。

 そして振り付けは、TikTokで100万フォロワーを超えるローカルカンピオーネが担当。彼らといえば、2021年に投稿されたORANGE RANGE「ロコローション」の振り付け動画が大きなバズを起こしたことで有名である。つまり平成で社会現象ともなったポッキーダンスを、令和版に100%アップデートした形で生まれたのが、今回の楽曲及びキャンペーンであると言える。上記のことを考えると、TikTokを舞台にしたORANGE RANGEとローカルカンピオーネのコラボレーションには、非常に納得感がある。

 ではこの流れを踏まえて、キャンペーン施策のひとつである「ハイ!ポッキーAR」について考えてみる。TikTok上でのダンスチャレンジはたしかにバズっているが、バズは再生数やいいね数に伴うものであり、ユーザーの参加率とは異なる。

 実際、現役大学生である筆者もダンスチャレンジはよく目にするが、自身が撮影して投稿した経験はない。Z世代の中でも、TikTokの活用方法は多様である。

 今回「ハイ!ポッキーAR」を使って感じたのが、純粋に音楽に合わせて踊る楽しさだ。もちろん実際に筆者が踊っているわけではないのだが、画面上で自身の顔を持つキャラクターがキレッキレに踊っているのを見ると、自然とカロリーを消費した気分になれた。

 また、TikTokへダンス動画を投稿することに少し抵抗がある方も、ARであればチャレンジしやすいだろう。筆者のようにサングラス機能を使ったり、顔写真を別の画像に変更することで、投稿へのハードルも低くなる。選択するキャラクターや撮影場所、使用する機能によってユーザーの個性を出すことも可能なため、表現の幅が狭まることもない。

 平成でブームとなったポッキーダンス。制服を着て、学校のクラスメイトと踊ったあの思い出はたしかに楽しかった。しかし令和となった2023年、新たなブームはTikTokを主戦場に巻き起こる。江崎グリコによる今回のAR活用は、この時代に参加型のムーブメントを作り出すための“目的のあるAR活用”だと考察する。

 「ポッキーの日」の新たな楽しみ方として提案されたARコンテンツ。ぜひ気になった方は、帰り道にポッキーを買って試してみて欲しい。

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