小型・軽量化とSSD増量の「新型PS5」 市場に与える影響とその勝算は?
新モデルの投入は、大きな目標を達成するための起爆剤となるか
とはいえ、噂が囁かれるようになって以来、新モデルの詳細が明らかとなるタイミングまで購入を待っていたフリークもいるだろう。そのような層にとっては、今回の発表が決断へのいいきっかけとなったに違いない。しかし、彼らはもとをたどれば、いつかは手に入れる予定だった“見込み顧客”だ。その過程には、買い控えと考えられる状況も潜在していた可能性がある。
先に述べたとおり、SIEは2023年度、新型PlayStation 5の市場投入により、歴代最多となる年間2,500万台の販売を見据えている。第1四半期(4~6月)における全世界販売台数は約330万台。最初の3か月では、目標の13%ほどを販売するにとどまった。
参考までに2022年度の数字を見ていくと、第1四半期が240万台、通期で1,910万台となっている。同時点での達成率は12.5%ほど。つまり、2023年度も同様のペースで推移すれば、2500万台も達成可能ということになる。しかしながら、2022年度の第4四半期(1月〜3月)には、ようやく潤沢な在庫を確保するに至ったという追い風もあった。例年(※)であれば、第1四半期と同水準、またはそれ以下の販売数となるところが、2022年度は、ホリデーシーズンにあたる第3四半期に迫る実績をあげている。
以上を考慮すると、2,500万台という大きな目標を達成するためには、新型モデルによって新たな購買意欲を喚起する必要があるだろう。しかし、実際に同モデルが年末商戦以降を有利に戦うだけの魅力を備えているかと言われれば、疑問符をつけざるを得ない。価格やスペックに対するSNS上の反応が、そうした状況を裏付けるなによりの証拠となっている。はたしてSIEは、年間2,500万台の販売という金字塔を打ち立てることができるか。新型PlayStation 5発売以降の推移を見守りたい。
※PlayStation 5は2020年11月発売で参考にできる年数が少ないため、PlayStation 4の販売実績を参照している。
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