10年の時を超えて継承されるプレイフィールは“正統進化”だ 『ドラゴンズドグマ2』試遊レポート
2012年にカプコン初のオープンワールドRPGとして初作がリリースされた「ドラゴンズドグマ」シリーズ。あれから10年の時を経て、昨年6月、まさかのナンバリング続編となる『ドラゴンズドグマ2』の制作が発表された。それだけでも驚きだが、これほど早くその一部を実際に体験できると思っていなかったという人も多いのではないだろうか。
【最新映像公開!】
TGS2023 カプコンオンラインプログラムにて『#ドラゴンズドグマ2』の最新映像が公開された。
伊津野Dによる解説とともに、基礎となるジョブのアクションや新たな国での冒険など、本作の世界での体験の一部が紹介されている。https://t.co/4S7VZggcXc#DD2 pic.twitter.com/KVLkVSTMIw— 「ドラゴンズドグマ」公式 (@DD_CAPCOM) September 22, 2023
2023年9月21日から24日に開催された「東京ゲームショウ2023」では、『ドラゴンズドグマ2』の世界初となる試遊出展が実施された。本稿ではそのプレイレポートをお届けする。
今回の試遊版では、15分のプレイ時間内でクラスやレベルに応じた3種類の体験を選ぶことができた。筆者は前半10分をレベル15のファイター(城都東部魔物討伐)、後半5分をレベル5のアーチャー(北部地域序盤体験)に割り当て、そのプレイフィールの違いも含めて確かめてみることにした。試遊内容としては基本的に探索と戦闘の体験がメインとなっており、オープンワールドのマップを自由に歩き回りながら、道中で遭遇したモンスターと戦うことでプレイ時間の大半を過ごしていたのだが、アーチャーを触っていた際にはメインクエストの内容と思わしきカットシーンが入る場面もあった。
非常に限られたプレイ時間ということで、あくまで所感程度の感想にはなるのだが、まず驚いたのはちゃんと『ドラゴンズドグマ』であるということ。当たり前のように思うかもしれないが、ナンバリングにおける前作は10年以上前の作品であり、ある程度の刷新が行われていても不思議ではない。だが、操作形態は基本的に前作から変わっておらず、スキルに関してもファイターの「一閃突き」(敵に向かってダッシュし、突きを放つ)や「円月斬り」(円弧を描く範囲攻撃)などがそのまま受け継がれている。筆者はこの日のため、前日に前作をプレイしたうえで試遊に臨んでいたのだが、ほとんど違和感なく『2』をプレイすることができた。
シリーズを象徴するアクションでもある、敵の身体に掴みかかる“しがみつき”も健在だ。探索中に出くわした巨大なモンスターと戦う場面では、足を起点にじわじわとよじ登っていき、頭部を集中攻撃することでダウンを取ることで戦況を優勢に導くことができた。
だが、それ以上に驚かされたのは、このように前作のプレイフィールをしっかりと残したうえで、ほとんどの要素が現代に合わせて全面的にアップデートされているということだ。今回の試遊を終え、真っ先に思い浮かんだ言葉は「正当進化」である。
まず、グラフィックに関しては人物の表情や質感、オープンワールドならではの広大で自然豊かな風景など、前作とは比べ物にならないくらい美しい仕上がりとなっている。ここ数年、ファンタジーの世界を舞台としたさまざまな美しいオープンワールド作品がリリースされてきたが、試遊した限りではそのなかでも決して見劣りすることのないクオリティであるように感じられた。
ポーン(パーティを構成する味方NPC)のAIも進化しているようで、探索中には目的地へ向かって先導をしてくれるし、寄り道しようとするとちゃんとこちらに付いてきてくれる。戦闘においても非常に積極的に参加してくれるため、小型の敵集団と戦う場面では、気付いたらポーンが他の敵を倒しきっていた……ということも珍しくない。前述の巨大なモンスターのダウン時にもしっかりと追撃してくれるし、相手の弱点や攻撃のタイミングについてもアドバイスしてくれるし、とにかく頼もしい存在である。何より、探索中の会話量がとても多く、「ともに旅をしている」感覚を得られるのがとても好感触だ。
そして何よりアクションだ。近年のカプコン作品といえば、『デビルメイクライ5』を筆頭としたアクションの名作揃いであり、個人的にも本作に対して最も期待していた要素である。今回の試遊ではその期待に見事に応えてくれており、ファイターの操作を通して、小型のモンスターに対してはバッサバッサと斬りまくる爽快感、大型のモンスターに対してはダイナミックな狩りの感覚を思う存分堪能することができた。一方で敵の攻撃も(特に大型のモンスターは)容赦なく、それぞれのモーションも格好良く磨き上げられており、短い試遊時間の中でもしっかりとした死闘の感覚を得ることができたのである。後半5分でクラスをアーチャーに切り替えた際にも、矢を放った際の手触りや重みをしっかりと感じられ、これはこれでアクション好きの欲求を十分に満たしてくれるのではないかという、良い予感を抱くことができた。
もちろん、これはあくまで限られた時間で体験した感想にすぎない。だが、今回の試遊を経て、『ドラゴンズドグマ2』に対する期待と安心はさらに大きなものになったのは確かだ。現時点では発売日は未定となっているため、さらなる進化を楽しみにしつつ、続報を気長に待ちたいと思う。
『ドラゴンズドグマ 2』はPS5/Xbox Series X|S/PC向けに発売予定だ。
©CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
大ヒットの人気タイトルに意欲的な新作も カプコンが続ける“挑戦”と、その先にある可能性
カプコンが発売しているビデオゲームが好調である。 販売本数は『バイオハザード RE:4』が500万本を突破しており、『モンス…