大ヒットの人気タイトルに意欲的な新作も カプコンが続ける“挑戦”と、その先にある可能性
カプコンが発売しているビデオゲームが好調である。
販売本数は『バイオハザード RE:4』が500万本を突破しており、『モンスターハンターライズ』は1200万本を越える記録を達成。『ストリートファイター6』は200万本を突破している(すべて全世界累計)。
いずれもカプコンの人気タイトルであり、そのほとんどすべてが高く評価されているうえに、売上も好調というわけだ。特に『ストリートファイター6』は格闘ゲームというジャンルにおいて非常に大きな盛り上がりを見せており、今後も販売本数は延びていくだろう。
これだけでも見事なことは間違いないのだが、さらにカプコンは挑戦の姿勢を見せる。2023年7月14日に新規タイトルとなる『エグゾプライマル』を発売した。
『エグゾプライマル』は、空から降ってくる大量の恐竜と戦う対戦型TPS(三人称視点シューティング)。PvE(コンピューターが操作する恐竜と戦うモード)とPvP(対人戦)を合体させた意欲的なゲームとなっている。
実際に筆者も本作を遊んだが、魅力はあるものの気になる部分もあるゲームであった。「エグゾスーツ」という特別なパワードスーツのグラフィック、恐竜たちのモーション、撃ち合いのエフェクトなど基本的な部分はかなりよくできている。
一方、本作の特徴であるPvEとPvPを組み合わせた対戦要素については気になるところが多い。一般的にPvEとPvPは同じゲームに入っていることが多いものの、完全に違うモードで切り分けられることが多いのである。たとえるならば、これは水と油のようなものだ。
では、本作はその水と油をうまく融合させられたかというと、残念ながら成功したとはいえないだろう。また、いわゆるPvPvE(コンピューター操作の敵やプレイヤーが混ざった環境のゲーム)とも違うジャンルになっているのが難しいところだ。この点が気になるプレイヤーは多いようで、さまざまなメディアのレビューを集積するサイト「Metacritic」では、PS5版の平均点が100点中65点となっている(記事執筆時点)。
ゆえに『エグゾプライマル』はうまくいったかというと微妙なところなのだが、しかし重要なのは挑戦したことである。そもそもビデオゲームの開発は博打であり、必ず成功する作品は存在しない。そして挑戦したことは、後につながるのである。