『AC6』初のバランス調整は“強化のみ” 広がる攻略の幅、パーツ全体の環境向上への期待も
2023年9月12日に『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』(以下、AC6)のアップデートが行われ、一部武器やボスのバランスが調整された。発売時のバランスと比較して、今回の調整内容について解説していきたい。
アサルトライフルとマシンガンが強化されたことでどうなる?
現在配信中の最新アップデートにより、アサルトライフルとマシンガンが強化された。詳細は以下の通りだ。
■アサルトライフルおよびバーストライフル
・MA-J-200 RANSETSU-RF
攻撃力 / 連射性能 / リロード時間 を上方修正
・LR-036 CURTIS
攻撃力 / リロード時間 を上方修正
・RF-024 TURNER
攻撃力 / リロード時間 / 弾速 を上方修正
・RF-025 SCUDDER
攻撃力 / リロード時間 / 弾速 を上方修正
・MA-J-201 RANSETSU-AR
攻撃力 / リロード時間 / 弾速 を上方修正
■マシンガンおよびバーストマシンガン
・MG-014 LUDLOW
攻撃力 / 射撃反動 / 総弾数 / リロード時間 / 弾速 を上方修正
・DF-MG-02 CHANG-CHEN
攻撃力 / 総弾数 / リロード時間 / 弾速 を上方修正
・MA-E-210 ETSUJIN
攻撃力 / 総弾数 / リロード時間 / 弾速 を上方修正
発売時はあまり日の目を見なかったアサルトライフルとマシンガンに強化が入り、実用的なアセンブルを組むうえでの幅が大きく広がった。瞬時に複数の弾を発射するバーストタイプの武器は瞬間火力が高いため、攻撃力の上昇具合を実感しやすいのではないだろうか。また、EN系と比べて、実弾系の武器は消費エネルギーが少ないことが多く、余った分をブースト使用時のエネルギー回復などに回しやすい。
今回の調整は強化のみに留まり、弱体化が一切なかったのも印象的だ。強力な武器を弱くするという措置は、一見攻略の幅を広げているようで、実体は幅を広げることをプレイヤーに強いているだけに過ぎない。妥協して弱い武器の中から見繕うより、強い武器の中から好きな物を選ぶほうが、モチベーションも上がる。今回は対象が絞られている分、微調整とも言える小さなものだったが、こうした方針が続くなら、パーツ全体の環境は着実に良くなりそうだ。
初期のレギュレーションではショットガンやニードル系武器などが強烈
発売時から現在にかけて、『AC6』ではショットガンとニードル系の武器が飛びぬけて強い。ショットガンでいうと「SG-027 ZIMMERMAN」、ニードル系なら「VE-60SNA」。前者は射程が長く、攻撃力はもちろん、相手をスタッガー状態(一時行動不能になり、受けるダメージが増える)にするための衝撃力にも優れている。
とはいえ、「SG-027 ZIMMERMAN」の強さは環境による部分も大きい。本作は0~300メートル程度の距離で戦うため、戦闘中は自然と接近戦になりやすく、攻撃をかいくぐったり地形を駆使して敵の懐に入るというショットガンならではの弱みがあまり機能していない。軽量機なら、各種ブーストを少し吹かすだけで敵をショットガンの射程に捉えられる。衝撃力を与えてスタッガー状態を狙うという本作の戦闘の基礎に合致しているのも追い風だ。
「VE-60SNA」は、作中で登場する自律兵器・アイスワームを倒すための専用兵装として用意された代物。スタッガー状態の敵に対して与えるダメージの補正率が非常に高い。「SG-027 ZIMMERMAN」のような衝撃力に優れた武器で相手をスタッガー状態に追い込み、動けない相手に「VE-60SNA」の砲撃を当てれば、相手の体力を一気に持っていける。
重量は6150とやや重いが、拡散タイプのグレネードキャノン「SB-033M MORLEY」が8480、レーザーキャノンの「VP-60LCS」が5190と、ほかのキャノン系と比べると平均的であり、1丁だけなら中量の機体でも十分積める。
「SG-027 ZIMMERMAN」と「VE-60SNA」を2丁ずつ担げばだいたいどうにかなってしまうのがいまの『AC6』だが、かといって安易に弱体化するのも違う。本作は試行錯誤が前提の“死にゲー”らしい敵もおり、そんなボスをなかなか突破できないプレイヤーたちには上記の武器が助けになっている。そうした点からも、強化のみに留めた今回のバランス調整は納得できる内容だ。
公式サイトによると、オンライン対戦時のバランス調整は今後あらためて行うとのこと。対戦専用のレギュレーションを用意するのか、あるいは今回のアップデートと同様の形式になるのかは不明だが、そこは続報を待とう。