「毒を持つ生物に刺されにいく」「ジャンボタニシの卵を食べる」 生物系YouTuberが身をもって伝えるリアル

生物系YouTuber・平坂寛が話題に

 『生物を好きになってほしい』その想いで活動する、世にも珍しい男性の生き物系YouTuberがいる。チャンネル名は「平坂寛」で、チャンネル登録者数62.9万人を誇る人気YouTuberだ。

 平坂寛(ひらさか ひろし)は生物ライターで、世界中の昆虫や爬虫類などを捕獲し記事にしたり、観察日記をつくったりしている。筑波大学大学院の生命環境科学研究科博士前期課程を修了後、フリーのライターとして活動を始めた。

 平坂寛が人気な理由は、あまりにも体を張った企画にある。動画では生物に刺されてみたり、実際に食べてみたりと身をもって実験している企画が多い。なかでも、執筆時点で当チャンネル内でもっとも再生回数の多い動画「刺されて検証!毒魚ゴンズイに刺されたらこうなる&入浴剤で治る!?」は、非常に興味深い内容だ。

刺されて検証!毒魚ゴンズイに刺されたらこうなる&入浴剤で治る!?

 タイトルのとおり、動画は海水魚のゴンズイに刺されるというもの。ゴンズイは背びれと胸びれのとげに毒腺をも血、刺されると激痛に見舞われる。決して触れてはいけない魚であるが、平坂寛は果敢にもゴンズイに自ら刺されることで、刺されるとどうなるのか、薬用入浴剤に浸けると治るという都市伝説は本当なのかという内容を検証した。結果についてはぜひ動画を視聴してみてほしいのだが、実際に人の体を使ってゴンズイの危険性を伝えている動画は、教育的価値が高いといえる。生物系のYouTuberは海外を含めて多く存在するが、ここまで体を張って動画を制作するYouTuberはそう多くない。コメント欄でも「釣り人からすれば本当に助かる内容」「リアルを伝えるところに好感がもてる」といった、彼の動画に感謝する動画が多く目立った。

ジャンボタニシの卵を食べてみた

 刺されてみたシリーズのほかに、食べてみたシリーズの動画も投稿している。こちらは、2022年10月14日に投稿した「ジャンボタニシの卵を食べてみた」という動画だ。卵をイクラのように見立てて食べるという内容になっている。ジャンボタニシの卵には神経毒が含まれているのだが、食べてしまった場合どうなってしまうのかについての症例がなかったため、試してみることに。食感に関しては「小さい貝殻を砕くような食感」と感想を述べた。24時間経過した時点でとくに腹痛といった症状もなく、「10グラムほどの卵の量であれば、成人男性が食べる分にはとくに健康被害は生じなかった」と発言した。人によっては苦手な内容かもしれないが、ジャンボタニシや毒キノコあるベニテングタケなどを食す動画は、どのような結果やリアクションが飛び出してくるのか、気になる企画だ。

 彼のコンテンツのおもしろさも、生物に対する知識の深さがあってこそ。あらゆる生物に対して豊富な知識をもち、的確に捕獲、最適な処理を施す。体を張るという危険ではあるがオリジナリティに溢れた動画も、平坂寛だからこそ実現できるのだと感じる。なお、平坂寛は生物のプロであり、当然素人が試す内容ではない。本人もYouTubeで真似しないように警告しているが、安易に自身の体で実験はしないようにしてほしい。

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