佐久間宣行が星野源&若林正恭との『LIGHTHOUSE』で感じた“セルフケアの重要性”  「共感性が高いことは大事だが、この時代に生きるのは大変」

佐久間宣行『LIGHTHOUSE』制作の裏側

 星野源と若林正恭によるNetflix番組『LIGHTHOUSE』が大きな話題となっている。全6回、月に一度のふたりが“悩み”をテーマに語り合う様子を、半年間記録したトーク番組だ。

 星野と若林はこれまで、『あちこちオードリー』(テレビ東京)での星野のゲスト出演や、星野源オフィシャルイヤーブック『YELLOW MAGAZINE 2021-2022』での対談、『星野源のオールナイトニッポン』で披露された楽曲「Pop Virus feat.MC.waka」、オールナイトニッポン55周年記念ジングルなど、数々のコラボレーションと会話を続けてきた。

 若き日の葛藤、人間関係の苦しみ、社会への意識、クリエイターとしての内省など、共鳴するふたりが紡ぎ出す言葉に注目し、今回『LIGHTHOUSE』を手がけたのは、テレビプロデューサーの佐久間宣行。

 佐久間はふたりが持つ共通点や魅力をどのように分析し、番組に落とし込んだのか。対話を経てふたりはどのように変化し、また佐久間自身はどのように変化したのか。今回、その制作意図や思いについて詳しく聞いた。

クリエイターが変化する時期を記録することで作品は面白くなる 

――『LIGHTHOUSE』は星野源さんとオードリーの若林正恭さんによるトーク番組ですが、なぜ「トーク番組」にされたのでしょうか? また、星野さんと若林さんを起用された理由を教えてください。

佐久間宣行

佐久間:星野さんと若林くんのトーク番組を作りたいと思ったのは、『あちこちオードリー』に星野さんがゲストで来てくれたことがきっかけですね。企画自体は、今回Netflixさんからお話をいただく前から温めていたものです。

 特に配信作品って、「一気見したくなる物語性」と「繰り返し見たくなる作品性」の両方がないと成立しにくいと思うんです。星野さんと若林くんのトークはその点、どちらも兼ね備えていて、いつも傑作になるんですよ。

 『あちこちオードリー』のときも、ふたりの話がシンクロして、スウィングして、観ている人たちに一つひとつの言葉が反響していくのを感じました。だからもっとこのふたりの会話を聞いてみたいと思っていたんです。

――星野さんと若林さんが月に一度会話をし、その半年を記録するという構成は、最初から決めていたのでしょうか。

佐久間:最初は、一年間の記録にするつもりでした。でも全話同時に公開する番組なので、一年かけてしまうと収録から公開までにかなり時間がかかってしまう。だから半年間にしました。まず、2022年の終わりぐらいから2023年が始まるくらいまでの時期を逃したくなかったんですよ。

――それはなぜでしょうか?

佐久間:徐々にコロナ禍が落ち着きを見せ始めていて、同時にそれは星野さんと若林くんにとって、クリエイターとしてすごく大事な時期だと思ったからです。そこでカメラを回したかった。

――つまり、おふたりの成長や変化が現れやすい時期だと感じたからですか。

佐久間:そうですね。それにクリエイターが変化する時期を記録することが、作品として面白くなる確証みたいなものがあって。

 僕、アメリカのスタンダップコメディが好きで、アジズ・アンサリ(※)の映像とかをよく観るんですけど、彼のライブを立て続けに見ていくと、そこに物語性があったり本人の思想が変わっていったりするんですよ。ドラマ性とドキュメント性が感じられる。

※アジズ・アンサリとは、アメリカ出身の俳優兼コメディアン。代表作に映画『ピザボーイ 史上最凶のご注文』など。

 日本のバラエティ的なトーク番組って、それらはあまりないじゃないですか。それは、どちらかといえば情報と笑いが求められているから。だから僕はNetflixで、トークする人自身の価値観が変わっていく様子を見せられる番組を作りたいと思ったんです。

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