4年ぶり開催のモンハン『狩猟音楽祭2023』レポート 感動と興奮が蘇った“音楽による狩猟の旅”

モンハン『狩猟音楽祭2023』レポート

 世界的人気ゲーム「モンスターハンター(以下、モンハン)」シリーズの音楽を生演奏で楽しむオーケストラコンサート『モンスターハンターオーケストラコンサート〜狩猟音楽祭2023〜』が、7月30日の大阪国際会議場メインホール(グランキューブ大阪)に続き、8月19日に東京国際フォーラムホールAで開催された。「モンハン」のオーケストラコンサート開催は4年ぶり。指揮者・栗田博文と東京フィルハーモニー交響楽団、さらに多彩なゲストを迎え、幻想的かつ心躍るスリリングな楽曲が次々と披露され、集まった観客は「モンハン」の世界に没入した。

カムラ祓え歌
カムラ祓え歌

 オープニングを飾ったのは、『モンスターハンターライズ』の拠点であるカムラの里の音楽「カムラ祓え歌」。ボーカル・加藤いづみが“モンハン語”の歌詞を優しくしっとりと歌い上げ、和楽器ユニット“HIDE×HIDE”の2人による三味線と尺八の音色が牧歌的な情景を映し出す。里で生き生きと暮らす人々の映像とも相まって、観客の心はすでにカムラの里。いざ準備を整え、狩りへ行かんとばかりだ。

 コンサートは、ラジオ番組『モンハンラジオ良三の部屋』でアシスタントを務めている宇佐美友紀を進行役に、『モンハン』シリーズのプロデューサー・辻本良三氏による解説を交えながら進行。最新作である『モンスターハンターライズ』『モンスターハンターライズ:サンブレイク』の音楽をフィーチャーしながら、本公演のために新しくオーケストレーションされた楽曲の披露もあることが伝えられた。

悪逆無道/マガイマガド
悪逆無道/マガイマガド

 「悪逆無道/マガイマガド」では、琵琶奏者・久保田晶子と尺八(HIDE×HIDE)によるアグレッシヴな演奏が繰り広げられ、マガイマガドとの激しい戦闘が脳裏によぎる。また木管楽器も加えられ、ゲームとは異なる本公演のならではのサウンドで、ハンターたちを滾らせた。また、『モンスターハンターフロンティア』で数多のハンターを苦しめたエスピナスの狩猟曲「終わりなき迷路/樹海:Sunbreak ver.」も演奏された。『ライズ』で復活し、ますます強くなった炎、毒、麻痺、突進による攻撃で、大ダメージを負った苦い経験を思い出したハンターも多かっただろう。また「深淵から迫る絶望/ガイアデルム」はラスボス曲であるだけに、スケールが大きく実に荘厳な雰囲気。フルオーケストラと合唱による重厚さは、まさしくダークファンタジーといった様相を呈していた。

 MCにはトークゲストとして、『サンブレイク』のプロデューサーである平空大氏も登壇し、『サンブレイク』のエスピナスは『フロンティア』からの移植ではなく新たに作り直したものであることや、「終わりなき迷路」は本来、樹海フィールドの楽曲だったが、エスピナスがあまりにも印象的で、ユーザーの間で「終わりなき迷路」=エスピナスの曲として広く浸透したこと、さらに狩りに出発するときに流れる汽笛は、わざわざドイツの船をチャーターして収録したことや、The Beatlesがレコーディングに使用したことでも有名な、ロンドンのアビー・ロードスタジオでレコーディングが行われたことなど、ゲーム開発や音楽のこだわりにまつわる裏話も多数飛び出し、ファンを喜ばせた。

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