ソースネクストから非接触モニタリングデバイス『POM』が発売 ミリ波レーダーとAI技術を活用した“新たな見守り方”に期待
ソースネクスト株式会社は、米・サンフランシスコのTellus You Care社と協業し、非接触モニタリング用デバイス『POM(ポム)』の販売を開始する。『POM』は、家族の健康と安全のための見守りデバイスで、自動運転などに応用されている「ミリ波レーダー」技術を用いて、プライバシーに配慮しながら睡眠習慣や心拍数などを非接触で測定ができる。
8月2日には本製品の東京・ソースネクストの本社にて発表会が催され、ソースネクスト代表取締役社長・小嶋氏とTellus You Care, Inc. CEO・Tani氏が登壇して協業の背景や製品の紹介などがおこなわれた。
はじめに、ソースネクスト・小嶋氏から2025年には約800万人を前後が後期高齢者となる時代であることが語られ、「高齢化社会」における介護職員の不足などの課題について現状の説明がなされた。大きなトピックスとして話されたのが、「高齢者の一人暮らし」だ。そもそも高齢者向けの施設をはじめ、入居待ちが相次いだり、地方などでは介護職員の不足などを要因とした介護難民が増えていたりするという現状があり、また自ら自宅で生活することを希望する人も多いのだという。
ソースネクストのユーザーを対象に実施したアンケート調査の結果、自宅で一人暮らしをする65歳以上の親を持つ人の83.7%(2023年6月同社調べ、有効回答数:13,377件)が高齢者見守りサービスに「興味がある」もしくは「現在または過去に契約経験がある」と回答した。見守りカメラ型・センサー型・非常ボタン型などさまざまなIoT家電を利用している人が多いというが、こうした機器には「プライバシーの問題」や「何かあったときの即応性」といった点に課題があると小嶋社長は語る。
そうした課題へのソリューションとして発表されたのが、今回ソースネクスト社とTellus You Care社が協業して発売する『POM』だ。
『POM』を開発したTellus You Care社は、これまで日本国内の有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅など、さまざまな施設に高齢者見守りサービスを導入してきた実績があり、その中で在宅分野への参入を期待する声を多く受けてきたという。千葉県・柏市の「三井ガーデンホテル柏の葉パークサイド」では『POM』の先行導入がされているとのことで、隣接する国立がん研究センターの患者を受け入れている三井ガーデンホテルならではの活用にも期待できそうだ。
では実際、どのような製品なのかというと、大まかな機能としては「睡眠習慣」「心拍数」のモニタリングが主となる「見守り用デバイス」だ。カメラではなく「ミリ波レーダー」とAI技術を組み合わせたセンサーによる非接触のモニタリングであるため、見守る側・見守られる側双方にとって負担の少ないデバイスとなっているのが特徴となっている。
使い方としては、寝室の壁に『POM』を設置してWi-Fiなどと接続するだけ。見守りたい相手の位置・動きの速度や方向を感知し、異常や習慣の乱れがあればスマホアプリを通じてお知らせしてくれる。家族の毎日の睡眠時間や、行動の変化をインターネット経由で確認できるので、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスを身に着けてもらうといった必要も無い。
スマホアプリの通知はさまざまなシチュエーションに対応しており、睡眠中、起床時のほか「深夜にベッドから離れたきり戻らない」といった事態にももちろん通知してくれる。
現状では寝室用の運用のみを対象としており、一人専用のデバイスとなっているが、今後のロードマップとして高齢夫婦の見守りにも使えるよう開発を進めていくとのこと。また、ミリ波レーダーが人体に与える影響への懸念についても、あらためて省庁が定めるガイドラインや技適マークなど、国内の安全基準をしっかり満たしているそうだ。
『POM』本体の価格は39,800円(税込)、見守り用の専用アプリは月額1,980円(税込)で販売・提供されることが発表された。また、8月7日から9月30日までの期間は応援購入サービスサイト「Makuake」で販売を開始する。その後はソースネクストの自社オンラインショップを中心にさまざまな販路で展開していくとのこと。
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■関連リンク
「Makuake」販売サイト:https://www.makuake.com/project/pom/
ソースネクスト公式製品ページ:https://www.sourcenext.com/product/pom/