台湾取材に行ってきたので、AI通訳機『ポケトーク』の使い勝手を実際に試してみた
AI通訳機の『ポケトーク』をご存知だろうか。コンパクトスマホ程度のサイズ感でありながら、様々な言語の通訳をこなしてくれる便利なガジェットだ。個人利用だけでなく法人での導入事例も数多い。
日本においては2023年5月8日付けで、新型コロナウイルス感染症対策本部が廃止された。入国制限も解除され、これからは海外との往来もスムーズになるだろう。そんな折、筆者は台湾への出張が決まった。これは『ポケトーク』を試すまたとないチャンス。というわけで、小さな翻訳機を持って台北へ向かった。
ポケトークを使って士林(シーリン)夜市でお買い物
やってきたのは台北市にある士林夜市。ここは台北市のなかでも最大規模のナイトマーケットで、多くの屋台や飲食店が軒を連ねている。
お茶や茶器、香立てを扱うお店を訪れてみた。筆者はお茶や茶器が好きなのだが、書かれている文字はすべて中国語(繁体字)。店員の方もある程度の日本語はできるようで、簡単なコミュニケーションであればなんとかなったが、複雑な言い回しなどは伝えづらい。
こんなときこそポケトークの出番。「おすすめの茶器は何ですか?」とポケトークを使って質問してみた。ボタンを長押しして日本語を発音し、日本語→繁体字へ翻訳してもらった。
発話から約5秒ほどで繁体字に翻訳された。翻訳された文章は『ポケトーク』のスピーカーから発声される。逆に、店員さんの中国語を日本語に翻訳したい場合も同じ動作で翻訳が可能だ。スピーカーの音量はこのサイズのデバイスとしては比較的大きいので、にぎやかな場所でも使いやすい。
ポケトークで何度かのやり取りをして、茶器ではなく15年熟成のプーアル茶を購入した。プーアル茶は熟成年数によって値段や味、健康効果が変わるようで、このお店では35年モノも置いてあると教えてもらった。こうした複雑な会話の翻訳はポケトークがあってこそだ。撮影にも快く協力していただき、圧倒的感謝。
文字情報の翻訳も
ポケトークといえば音声の翻訳という印象が強いが、実はカメラ翻訳にも対応している。使い方は設定画面からカメラ翻訳を選択して、翻訳したい文章に向けるだけ。
翻訳元の言語は自動認識してくれる。今回も中国語(繁体字)を日本語に翻訳してみた。
士林街福徳宮という廟の中に置いてあった臨時のお知らせ看板を翻訳した。どうやら祭日のイベントに関するお知らせのようだ。
アイコンをタップすると横書きにもできる。やや改行が破綻しているが、英文翻訳にはこちらが便利だろう。
試しにGoogleレンズの文字翻訳機能も使ってみた。内容に大きな違いはないが、趙天君や金崙如意など、一部名称が英字になっている。中国語は漢字文化なので固有名詞が原文表記でも読めなくはないが、発音に関しては英字の方がわかりやすいだろう。