「リアルVket」で盛況だった秋葉原の街 広がる熱量がVRの世界をまだまだ動かす

「リアルVket」が盛況だった秋葉原の街

Vketの熱量が秋葉原にあふれた土日

 土日は秋葉原が盛況だった。VRイベント『バーチャルマーケット』のリアルイベント『バーチャルマーケット2023リアルinアキバ』が、2日間にわたり開催されていたからだ。ベルサール秋葉原を舞台にした、「バーチャルマーケット」史上初の”現実”出張イベントには、数多くの人が訪れていた。

 1階フロアは、現実とバーチャルの融合体験が楽しめるアトラクションや、企業出展が主だった。企業ごとの個性的な展示はもちろんだが、閉会が迫った『バーチャルマーケット2023 Summer』の各企業出展ブースをVRで体験できるところも多かった。筆者が軽く見た限りでも、子連れや外国人の姿も多かった。VRや”メタバース”になじみのない人が、楽しい体験を通してそれに初めて触れる、そんな場になっていたように思う。

 地下1階は一転してディープなエリアだった。クリエイターの展示・即売会や、コミュニティの出展コーナー、そしてイベントステージが軒を連ねた地下1階は、かなりの時間帯で入場規制がかかるほどの混み具合だった。それも当然で、このエリアはある種の「オフ会」の場のように機能していた。ソーシャルVRの世界にどっぷり浸かった人が訪れる、オフライン交流の場。これが1階ではなく地下1階に設けられたのは、(避暑的な側面も含め)正解だったのかもしれない。

 ひとつだけ言えるのは、VRで育まれた人々の輪と熱気は、ベルサール秋葉原を埋めるには十分な規模となっているらしい、ということだ。投機に踊らされることなく、自分たちのメタバースを理解し、着実に歩みを進めた人々の力が、実を結んだイベントだった……といえるかもしれない。

VRアーティストは下北沢へ。新たなアバターアイテムの販売先も生まれる?

 「リアルへ進出するバーチャル」という流れは、「バーチャルマーケット」以外にも見られる。そのひとつが、9月24日に、下北沢のライブハウスにて開催される、『VRChat』を拠点に活動するVRアーティストが出演する音楽イベント「VARTISTs」だ。

 バンドにヒップホップ、インストユニットと、手掛けるジャンルも違う4組が集まるライブイベントだが、なによりVRで活躍するアーティストがアバター姿ではなく、生身のまま出演するというのが大きな特徴だろう。この日ばかりは、VRアーティストもリアルに出張。垣根を超えた人々による、なかなか見られないステージとなりそうだ。

 一方で、新たなバーチャルへの参戦も続く。8月4日に、アバターブランド・moonshotがバーチャルファッションショー「Virtual Fashion Show 2023」を開催する。YouTubeでの配信イベントとして、VTuberからMonsterZ MATE・コーサカ、さえきやひろをゲストに迎え、様々なアバターやアバター向けファッションを紹介するとのことだ。

 そして、このイベントの協賛として参加しているのが「SUZURI」だ。オリジナルグッズなどを扱うプラットフォームとして展開していたところが、このイベントを機にアバター向け3Dアイテムのプッシュを始めている。出展クリエイターのストアがオープンするだけでなく、それらのストアを紹介する特集ページまで組まれており、新たな業界参入としても見込める動きだろう。

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