僕らの生活はどうなる? アジア最大級のIT展示会『COMPUTEX 2023』で見えてきた未来のITライフ!
日本人の海外旅行先としても人気の台湾。首都・台北では先日にアジア最大級のIT関連展示会『COMPUTEX 2023』が開催された。ITの展示会というと小難しい出展ばかりと思うかもしれないが、そこには数年先の生活がどのように変わるのか、未来の様々な技術が展示されていたのだ。
ベンツのパソコンや「どこでもゲーム」できる小型マシンに注目
台湾は実は世界のPCメーカーの多くが集結している。『COMPUTEX 2023』でも各社から多数のPC新製品が発表されたが、一番注目されていたのはMSIのノートPC『Stealth 16 Mercedes-AMG Motorsport』。あのベンツのスポーツ・レーシングブランド「Mercedes-AMG」とコラボしたモデルで、ハイパフォーマンスなノートPCにスポーティーなボディーデザインを両立した製品である。
天板にはもちろんおなじみのあのベンツのマークも入っている。メタリックな仕上げがカッコいい。
製品は特別パッケージに入れられており、オリジナルデザインのマウス、マウスパッド、USBメモリ、ミニポーチなどが付属する。なんだか使うのがもったいないと思えてしまう出来の良さで、コレクションとして欲しい人もいるだろう。
もうひとつの大きな目玉製品なのがASUSのポータブルゲームマシン『ROG Ally』。Allyと書いて「エイライ」と読む。7型のディスプレイの左右にゲームパッドを内蔵したゲーム機だが、実はWindows 11が搭載されている。つまりPCゲームをそのままプレイすることができるのだ。またゲームをしないときはYouTubeを見たりSNSをチェックしたり、さらに仕事もできてしまう。
2022年あたりからハイエンドのポータブルゲーム機に注目が集まっているが、任天堂などのポータブルゲーム機とは異なり、PC互換であることがAllyの隠れた特徴だ。ジョイスティックなどもPC向けの製品が使えるようなので、ハードなゲームを外出先でも遊びたい人には注目の製品だろう。なお日本でもすでに発売されている。
PCメーカーは周辺機器としてWi-Fi関連の製品も出しているが、最近はより高速な規格「Wi-Fi 7」対応製品が増えている。目立っていたのは重厚なデザインのアンテナを搭載したWi-Fiルーターで、部屋の中に設置するとかなり目立つ。インテリアに調和したシンプルな外観のルーターも増えているが、PCメーカーとしては高速さをアピールするために見た目で差別化を図ろうとしているようだ。
AIで絵をかいたりカクテルも作れる
2022年後半あたりからAIに関する話題が急激に増えている。『ChatGPT』や、イメージ通りの写真や絵を自動合成してくれるAI写真合成などが身近なものになりつつあるからだ。AIを動かすには高性能なPCが必要であり、『COMPUTEX 2023』の会場でも各PCメーカーが自社製品の性能の高さをアピールするためにAI関連のデモを行っていた。
デモに展示されていたのは高性能なCPUやグラフィックカードを搭載したゲーミングPCだ。いまやゲーミングPCはゲーム用途を超えて動画編集やAI処理などにも使用されている。派手に光るライトを内蔵したゲーミングPCはその存在感だけでも目立つ。デモではたとえば「新宿の繁華街の夜景写真」といった文字を打ち込むと、10秒もたたずにそれっぽい写真が合成された。一瞬で写真を合成できるとはAIもすごいがPCの性能もかなりすごいのだろう。もはやAIは誰もが普通に使う技術になろうとしている。
産業用のロボットの展示でもAIの活用が目についた。ロボットアームを使ったAIバーテンダーは、来客の顔をカメラで確認してからその人に最適なカクテルを作る、といったことも将来できるようになるそうだ。年齢や性別、服装、さらに顔の表情を読み取ることで、その人がどんなお酒を望んでいるかを判断してくれるのだ。このAIバーテンダーも意外に早く実用化されるかもしれない。