マッチングアプリの“身バレ防止”、気にするのは日本人だけ? 『Tinder』の安全対策に対する見解が明かされる

『Tinder』安全対策に対する見解

 昨今、マッチングアプリでパートナーを探すことは珍しくなくなり、サービスを利用するユーザーは増加し続けている。一方で、ユーザーが増えることは様々なトラブルにもつながる。“マッチングアプリ詐欺”が横行する事例もあり、不安を抱えるユーザーも少なくはない。

 今回、マッチングアプリのトップを走る『Tinder』が安全対策に関してラウンドテーブルを開催。サービスが誕生したアメリカより、トラスト&セーフティーチームの統括責任者、ローリー・コゾルが来日し、日本という場所においての最新の安全対策機能について語った。

 日本国内でTinderがスタートしたのは2012年という、まだまだマッチングアプリの認知がなかったころ。そこからいまでは日本で1番人気のアプリとなり、世界でも190もの国で展開されているなど、マッチングアプリのパイオニアともいえる存在だ。

 ローリーは「日本は重要なマーケットである。というのも、私が担当している安全性の分野において、日本のユーザーは世界と比較しても意識が高い。日本のユーザーの要望に応えていくことで、よりサービスの向上につながるのではないかと思っている」と今回来日した目的を語った。

 「日本ユーザーの要望で実現した安全機能はあるのか」という質問に対しては「ブロック機能」を挙げた。日本のユーザーからは、友人や上司、家族などの近い存在に自分のプロフィールを見られたくないという要望が多かったという。ローリーは「1番個人情報が集まっているのは連絡先リストである」としたうえで、連絡先から指定してブロックができる機能を加え、近い存在から見られる心配をなくすという日本ユーザーの需要を満たした。

 次に「迷惑メッセージ防止機能」の重要性についても話してくれた。

 「Tinderのマッチングシステムで適切な会話というものは人それぞれ異なる。だから我々は個々人がどこまでが許容範囲なのかを把握しなければいけない。しかし不適切な表現というものは、データをみてもパターンを見出すのは難しかった。だから最初からこちらが不適切だと思って排除するのではなく、ただ『大丈夫ですか?問題ないですか?』と聞く姿勢をとった」

 この声かけは、実際に不快なメッセージを受け取ったユーザーに対し、「メッセージに不愉快な思いをすつ内容はありましたか?」という運営からの通知が送られ、そこに「はい」と答えると相手の行為を報告できることができるというもの。反対に、相手が不快に感じるかもしれないメッセージを送ろうとしているユーザーに対しては、「本当に送信しますか?」という通知を発信。これらの機能により、いやがらせの報告が46%増加、迷惑メッセージの送信が10%減少したという。

 ローリーは「ユーザーは必ずしも恋愛経験がある人だけではない。実際にデートをしたことがないという人も多い。そういった人は、気づかずに間違った声のかけかたをしてしまう人もいる。そのなかで正しい方に導くことが大切」と、必ずしも全てが悪質な行為になるとは限らないとしたうえで、「ルールを羅列してもうまくいかない。その行動を起こしているときにその通知をすることが大切」と人間心理によりそった改善方法を提供していることを明かした。

 日本ならではの今後開発していきたい機能について尋ねられると、「日本に関して学んだのは、アプリで顔を探される(顔出しをする)のが嫌だという人が多いということ」と国民性の違いから生まれた課題について触れる。

 「日本では、マッチングアプリを使っていること自体に恥ずかさを感じる人が多くいた。アバター、もしくは自分とは違うなにかで代替えし、アイデンティティの全ては晒さないという形式も求められている。我々はどうやって自分の情報を見られるのかはユーザーが決められるようにしたい。この分野はとても興味深いものであり、いくつかは開発過程にある」

 最後にマッチングアプリとしてTinderがここまで多くのユーザーに利用されてきた理由については「Tinder自体が安全なアプリとして生まれたからだ」と話し、「2000年初頭、誰かと出会うためのアプリは、ショッピングサイト感覚で使う人が多かった。興味がないにも関わらず、知らない人からDMが大量に来るような状況。そんななか、Tinderはお互いがスワイプすることでマッチングして、初めて会話ができる。そういうところがとても画期的だ」と、「お互いがスワイプしてマッチングする」という、いまでは当たり前のように使われている機能の原点に立ち返った。

 コロナ禍もあけ、リアルなコミュニケーションも戻ってきたいま、危険だから、恥ずかしいからと新しい出会いのチャンスを失ってしまうのはとても残念なことだ。Tinderが取り組む安心・安全の機能に身を委ねて、多くの人がこれまで出会えなかった人と出会えるようになっていくことに期待したい。

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