VRChatのスマホ対応にガンダムメタバース、そしてミライアカリが残したもの。節目となった“令和4年度末のバーチャル”

節目となった“令和4年度末のバーチャル”

ガンダムメタバースが動き出す。AIりんなもAITuberに転身

 年度末のためか、駆け込み的にいろいろな新プロジェクトの発表があった。まず、以前から「ガンダムメタバース」と呼ばれていたものが、10月に「ガンプラコロニー」として試験的にオープンするとのことだ。

ガンダムカンファレンス SPRING 2023 / GUNDAM CONFERENCE SPRING 2023

 「ガンプラ」を基幹に据えたメタバースになるらしく、ガンプラを購入することができるのみならず、購入ガンプラをメタバース内コンテンツとして遊んだり、制作したガンプラをスキャンしてメタバース内に持っていく、といったことが想定されている。AIキャラクター「メロウ」の稼働も予定されているようだ。

『ガンダムビルドメタバース』ティザーPV

 大まかな世界観は、ガンプラを作って戦わせる「ガンダムビルドシリーズ」からきているように思われる。それを裏付けるように、シリーズ10周年記念映像「ガンダムビルドメタバース」が発表された。こちらも10月に、全3話が公開予定とのことだ。「ガンプラ」を基点として、バンダイナムコがどのようにメタバースを展開していくか、秋頃の”発進”を待ちたいところだ。

 日本マイクロソフトが開発したチャットボット「りんな」は、にわかに「AITuber」として転身した。今どきのビジュアルにアップデートし、今後はYouTubeにて活動を展開していくとのことだ。初めての配信は4月12日を予定。過去のオリジナルソングのリマスターや新曲発表も予定しており、ある種のバーチャルタレントとしてもプッシュしようという姿勢が感じ取れる。

 巷で流行りのAI+キャラクターという組み合わせにおいて、「りんな」は先駆けの一つと言えるだろう。時代に合わせたアップデートによって、彼女もこのトレンドに乗り込んできた形になり、AIキャラクターの流れはさらなる加速が見込まれる。

VRChatがAndroid対応発表。メタバースにモバイル対応の流れあり

 『VRChat』はついにモバイル対応を発表した。まずはAndroid対応からスタートするとのことだ。もともと、OSのベースがAndroidである『Meta Quest』向け開発を行っていたこともあり、Android版ではQuest向けコンテンツが問題なく体験できるようだ。まずは有料プランユーザー向けとして3〜4ヶ月後に提供され、その後3〜6ヶ月後に一般提供が実施される予定だ。

Second Life Mobile - First Look

 メタバースプラットフォームのモバイル対応は、直近では老舗たる『Second Life』も対応予定を発表している。国産プラットフォームの『cluster』は一足早く対応しており、スマホしか持たないユーザーでも手軽にアクセスできるプラットフォームとして発展している。「幅広いユーザー獲得」のために、モバイル対応の流れは今後もさらに推進されていく可能性がある。

 アクセスが容易になることで、機材ハードルでアクセスできなかった才能などにも門戸を開くと同時に、少なからず“やんちゃ”なユーザーを招く可能性も生じる。『VRChat』においては、『Meta Quest 2』がホリデーシーズンに一気に普及し、低年齢層も多く流入したころの米国ユーザー圏が近しい状態だろうか。モバイル対応によるユーザー層と文化圏の変動は、定点観測が必要なトピックとなるだろう。

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