コロナや世界情勢に影響を受けながらも739億ドル超えの巨大な越境ECに 優秀な販売者が表彰された『eBay Japan Awards 2022』
2年連続で受賞を達成したセラーも。越境EC市場のさらなる発展に期待
コレクティブル・カードゲームカテゴリーは株式会社NINJA、および太田陽介氏が選出。
NINJA代表の小川氏は「弊社はポケモントレカを専門に扱っており、秋葉原に続いて4月には新店舗を中野にオープンする。これからも、継続的な成長をしていけるように気を引き締めていきたい」とコメント。
太田氏は、前年比売上700%を超える期待のセラーとして注目されており、「今回のような受賞の機会をいただけて非常に光栄だと感じる。家族のためにも、eBayでのビジネスをさらに発展できるよう努めたい」と話した。
アニメ関連商材カテゴリーの受賞者は合同会社ウィジェクト、そしてユウキ シシド氏。
個人枠のユウキ氏は3年連続のアワード受賞となり、まさに他のセラーのお手本となるようなトップセラーとしての片鱗を見せた。
「3年連続で受賞できたのは、日頃からサポートしてくれる関係者の方々のおかげだと思っている。今後も先人へのリスペクトやバイヤー目線を忘れず、良きライバルでありながら、共に切磋琢磨できる日本のセラーとともに、越境EC市場を盛り上げたい」(ユウキ氏)
ビデオゲーム&コンソールカテゴリーは株式会社MondoLifeが受賞。
同社の代表を務める北島大地氏は、華やかな装いとカラフルな髪型で壇上に登場し、会場を沸かせた。
「今日はeBay愛を髪型に表現してきた。これからもeBayでのビジネス、筋トレと日々のライフスタイルを楽しみ、来年も受賞できるように頑張りたい」
カメラカテゴリーは、時計カテゴリーに引き続き法人ではシュッピン株式会社が受賞。個人は渡辺浩一氏が受賞した。
そして、オートパーツカテゴリーは個人枠で若林誉弘氏が2年連続の受賞になった。
副業で越境ECビジネスを初め、今では「好きを仕事にする」をまさに体現したセラーとして活躍している。
「私は車が好きでeBayを始め、世界中の車好きと繋がることができた。今後も初心を大事に頑張っていきたい」(若林氏)
受賞式の後半には主要3部門の発表が行われた。
ニューセラー・オブ・ザ・イヤー(新人賞)は、株式会社リバリューとレイ氏がそれぞれ受賞した。
「eBayを初めて1年ほどになるが、常に買い手のニーズに応えられるように商品ラインナップの拡充に努めてきた。もっとお客様に満足いただけるように精進したい」(リバリュー 代表取締役 荒木佑大氏)
「夢中になってeBayに取り組み、継続してきたことが結果につながった。いつもビジネスをサポートしてくれる関係者の皆様に感謝を伝えつつ、受賞に恥じない活躍をさらにしていきたい」(レイ氏)
次いで、今年から新設された「eBay Japan 名誉セラー」に輝いたのは株式会社JP.Company。
2019年から3年連続で最高賞である「セラー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、目覚ましい成果を上げているのが評価され、今回の賞が贈られた。
そして、2022年度の「セラー・オブ・ザ・イヤー」に輝いたのはシュッピン株式会社。
これで時計、カメラといったカテゴリーの受賞に次ぐ3冠を達成したことになる。
同社グローバル戦略部 副部長の小野新平氏は「まさか3つの賞を受賞できるとは思ってもみなかった。今回、3度も登壇させていただき、感無量な気持ちでいっぱいになった。コロナ禍で大変な状況においても、歯を食いしばって、前を向き続けたことが、こうして評価されたのは大変励みになる。今後も日本のeBayを盛り上げられるように精進したい」と話した。
2022年の越境ECは円安効果で追い風。今年は熱狂的ファン向け商品がトレンドになる
授賞式の後には、記者会見と受賞者によるグループインタビューが行われた。
イーベイ・ジャパン株式会社 カテゴリーマネジメント部 部長の北村直樹氏は、2022年の越境EC市場の振り返りやトレンドについて説明した。
「代表の岡田が申したように、2022年は越境EC市場は外的要因が強い1年だった。年初はロシア・ウクライナ危機、そして後半にかけては円安の局面を迎え、海外のバイヤーからは、日本セラーの販売する商品をより買い求めやすくなった。
他方、世界的なサステナブルトレンドの潮流があるなか、日本はその点において高く評価され、セラーの売り上げにも貢献したと感じている。カテゴリー別の売り上げ推移に関してもブランドバッグが前年比25%増、オートパーツは同40%増と好調な伸びを記録した」
2023年、eBayがフォーカスしているのは熱狂的ファン(オタク)向け商品だという。
日本はまさに同商品の宝庫であり、「熱狂的ファン向けの商品を扱うバイヤーを集めていきたい」と北村氏は述べる。
グループインタビューでは、名誉セラーに輝いたJP.Companyの代表を務める荒木淳平氏が登壇。
「新設した名誉セラーをいただけたのは、長年にわたってeBayで積み重ねた実績が評価されたと思っている。今までブランドバックを中心に販路拡大をしてきたが、常にチャレンジをし続ける姿勢はそのままに、新たな商材の取り扱いも視野に入れたい。
また、仕入れに強みを持っていたり、独自の情報ネットワークを有していたりと、海外展開をしていないものの、弊社とシナジー効果を生み出せる企業は多いと思っている。こういった企業との連携も強化していきながら、さらにビジネスの成長を目指したい」
3部門の受賞に輝いたシュッピン株式会社の小野氏は「カメラが好きでこの業界に入り、それを海外に広めることができているのが嬉しい」としつつ、「写真の枚数はもちろん、商品に対するコメントや動画も掲載し、お客様に魅力が伝わるような丁寧な商品ページの作り込みを意識している」と説明する。
カメラであれば、バイヤーが購入する前に動画でシャッター音まで確認できるという、きめ細かさがあるゆえに高評価につながっているそうだ。
「静止画と動画では圧倒的に訴求力が違う。時計の状態の良し悪しを、動画で見てもらえるのは、静止画と動画では圧倒的に訴求力が違う。購入者は商品の状態が気になるところだが、動画を載せることで、より商品の魅力が伝わりやすい。時計に関しては、2021年6月にいわゆる“100万円の壁”が撤廃されたことで、ロレックスなどの高額時計を海外へ販売できるようになり、それが売り上げを牽引するきっかけになった」(小野氏)
ポケモントレカを専門に扱う株式会社NINJAの小川氏は「ポケモントレカが流行り出す2~3年前のタイミングで、eBayに取り組んできたことが功を奏した」と話す。
「我々の取引の中には、1枚あたり数百万円で売買されることもある。今後は買取の強化を図るべく、リアル店舗も機を見てオープンさせていく。トレカの激戦地、秋葉原は毎月2つくらい新店舗がオープンするほど熾烈な争いが続いているが、引き続き事業拡大に邁進したい」
オートパーツカテゴリーで受賞となった若林氏は「映画『ワイルド・スピード』に登場するような日本のスポーツカーが、海外のカーマニアから注目を集め、その関連のオートパーツの需要が非常に高いのを実感している」と語る。
車好きが転じて、友人からeBayを勧められたことで始めたビジネスも、発送対応や海外バイヤーとのコミュニケーションの中で、次第に事業の手応えを感じるようになったという。
今回の授賞式では、連続受賞するセラーが目立った。
表彰に甘んじず、常に研鑽を重ねながら、越境ECビジネスに取り組む。この姿勢こそ、成果を出し続けることができるポイントなのではないだろうか。
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