「ウチら3姉妹」の解散劇から考える、グループYouTuberを続けていくことの難しさ
まさかの解散劇に驚いたファンは多かったに違いない。
とうあ、ゆら、こまの3人からなるYouTuberグループ「ウチら3姉妹」がこのほど、解散を発表した。その発表の仕方が異例だった。まず、グループ結成3周年記念となる23年3月7日に、ゆらが一人で動画を投稿し、「本日3月7日をもって、ウチら3姉妹は解散となります」と報告した。ファッションショーをきっかけに親友と呼べる間柄になり、ゆらの誘いで結成に至ったという同グループ。
しかしゆらによれば、結成2年目以降、スケジュールの合わなさを含めた様々な原因から意見の相違が浮上し、思うように撮影ができなくなったという。さらに1年前にはそれぞれ「解散」を考え始めたものの、その時点で会うことも連絡を取り合うこともままならなくなったとのこと。ゆらはせめて「解散動画だけは3人で撮影がしたい」と何度も訴え、やっと日程が決まったものの、当日一人のメンバーの「寝坊」により実現に至らなかったと明かした。ゆらは声を詰まらせながら「最後が3人揃って画面にいなくて本当にすいません」とファンへ謝罪した。
最後にゆらは、とうあ&こまに向けて「絶対にお互い言いたいことはあるんですけど、伝え方も近況もわからないところまで来てしまいました。一度でも心から本当に大切と思えた人なので。また数年後とか時間がかかっても、時効になって気が向いたら言い合いましょう。あと、時間とか約束にすごくうるさくてごめんなさい。感謝しています。ありがとう。それぞれ頑張りましょう」と呼びかけた。
ゆらの動画を受けて、とうあとこまは8日に動画を公開。とうあは「ゆらが嘘をついていることを訂正させてください」と切り出し、事実確認をしてもらうためにこまを呼んだと説明した。はじめにとうあは、ゆらがメンバーにも事務所にも断りなく解散報告動画を「ウチら3姉妹」のチャンネルに投稿したと告発し、「私たちが『解散動画の撮影をする気がない』『ゆら一人に撮らせた』という見え方になってしまっていますが、それは違います」と釈明した。
とはいえ、解散動画の撮影日に遅刻者がいたことは事実で、とうあは遅刻の犯人が自分であると白状し、「わたしがすべて悪かったです。それは本当にすいませんでした」と謝った。その後、とうあはマネージャーを介して解散動画の撮影を再調整していたものの、7日にゆらが一人で勝手に動画を投稿したと訴えた。
さらに、とうあは「正直、連絡を直接取り合える関係性ではなかった」とグループ内の不仲を認め、その理由を「うちら二人を裏切らざるを得ない行動をゆらがプライベートでとっていたことが一番の原因でした」「18歳で夜の街に行っていた」と暴露した。とうあによると、ゆらはグループの活動に差しさわりがあるため、メンバーが夜の街に行くことを何度注意しても聞かなかったそうで、「そこから明らかに関係は変わってしまった。壁ができたのは確実でした」と打ち明けた。
そしてとうあは、ゆらの動画について「3姉妹のことを思って『大好きだった』と言ってくれるんだったら、あたしは直接言って欲しかった。不満があるならお互い言い合える仲でいたかったって思っています。それはゆらだけの責任じゃなくて、私もそういう環境づくりができなかったし、こまもそういう環境づくりができなかった。全員が全員、大人になり切れず子どもの対応を取っちゃったと思う部分もあるので、あんまり言えませんが、すごく悲しい気持ちになりました」と話した。
各人の個性やキャラクターが絶妙に組み合わさり成立しているグループYouTuber。しかし、そのバランスが崩れ、解散に至ったケースは枚挙に暇がない。ウチら3姉妹と同じ3人組YouTuberに絞っても、過去に、カリスマブラザーズ、さんこいち、へきトラハウスなどが「方向性の違い」「それぞれやりたいことがある」などの理由で、まだまだ人気があるうちにトリオを解消している。今回のように明らかな対立構造を露わにした上で、喧嘩別れするケースは稀ではあるが、いずれにしても、現在数多いる仲の良さそうな「大人気YouTuberグループ」の中にも、裏では確執を抱え、解散に向かって水面下で動き出しているグループも存在しているかもしれない。ウチら3姉妹の解散劇は、そんなグループYouTuberの危うさを再確認する事象だったといっていいだろう。