『カービィのエアライド』に『逆転検事』、『バイオハザード アウトブレイク』……続編が待ち望まれるゲーム6選
2022年12月に開催されたThe Game Awards 2022で、「アーマード・コア」(以下、AC)の新作『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』(以下、AC6)が発表された。発売は2023年。現状最後のタイトルが2013年発売であることを踏まえると、じつに10年ぶりの新作となる。
同作のように、続編が長く発売されていない、あるいはその情報が出てこないようなシリーズ作品は、ビデオゲームには多い。最新作の不振や開発チームの解散、会社の方針に権利の関係など、その理由は場合によってさまざまだろう。しかし、仕方のない事情があるにしても、プレイヤー側としては新作が出ないのは悲しい限りだ。
本稿では、最新作の発売から5年以上の空きがあることを条件に、続編が待ち望まれているであろうタイトルやシリーズ作品を6つピックアップして紹介したい(移植やリメイクは含めない)。
『カービィのエアライド』
最新作の発売日:2003年7月11日
経過した年数:19年
『カービィのエアライド』は、2003年にゲームキューブで発売されたレースゲーム。“エアライドマシン”と呼ばれる、種類ごとにさまざまな性能をもった乗り物が登場する点や、「星のカービィ」シリーズおなじみのコピー能力をとり入れたことで、レースゲームでありながらパーティーゲームのような楽しさを兼ね備えていた。
操作性は非常にシンプルで、必要なのはアナログスティックとAボタンのみ。アナログスティックは、おもにエアライドマシンの進路を変えるときに使う。Aボタンは、自動で進むエアライドマシンにブレーキをかける際や、減速中にチャージを行い、その後に急加速する技(ダッシュ)を狙う場合に用いる。本作はこの2つさえ覚えれば、すぐに楽しむことができた。
そうした魅力もあり、いまでもリメイクや続編を望む声は多い。本作は今年の7月11日でちょうど発売20周年を迎えるので、なにか動きがあるとするなら、その辺りのタイミングになるだろうか。
「ビューティフルジョー」シリーズ
最新作の発売日:2005年11月2日
経過した年数:17年
映画の視覚効果として使われるVFXを取り入れたアクションゲームシリーズ。映画の世界である「ムービーランド」を舞台に、「VFXパワー」を操るヒーローとなったジョーやシルヴィアが、悪の組織と戦いをくり広げる。「VFXパワー」には、時間の流れを遅くする「SLOW」、逆に時間を加速する「MACHSPEED」、視点を自分に注目させて専用の技をくり出す「ZOOM」などがあった。
いかに相手をカッコよく倒すかが本シリーズのバトルのキモで、敵の攻撃を避けてカウンターを叩き込んだり、VFXパワーをコンボに組み込んだり、美しいポーズを決めたりするとスコアにボーナスが加算される。また道中には「VFXパワー」を使ったギミックも用意されており、バトルだけでなくステージ中の謎解きも凝っていた。
本シリーズは、まず第1作『ビューティフル ジョー』がゲームキューブで2003年に発売。2004年には主人公にシルヴィアを追加した『ビューティフル ジョー2 ブラックフィルムの謎』が登場したほか、2005年までに全4作がリリースされている(移植などを含めると7作)。映画的な要素をゲームに取り込んだ名作として、いまでもプレイヤーたちからの人気は根強い。
「ぼくのなつやすみ」シリーズ
最新作の発売日:2009年7月2日
経過した年数:13年
夏休みを楽しむことに焦点を当てたアドベンチャーゲームシリーズ。2000年にプレイステーションで第1作が発売されて以来、移植やリメイクを含めると6作のタイトルが作られた。
本シリーズの舞台は、1970年や1980年代の日本。プレイヤーは主人公の少年を操作し、昆虫採集や川遊び、釣りに花火大会といった夏の風物詩を堪能できる。とくに決まった目的があるわけではなく、夏休みの始まりから終わりまでを自由に過ごせるのも魅力だろう。居候先の住人たちにはストーリーも用意されており、彼らの人間模様を垣間見ることもできた。
シリーズ最後の作品は、2009年にPSPで発売された『ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団「ボクと秘密の地図』。ちなみにスピンオフ作品ではあるが、2021年にはSwitch向けに『クレヨンしんちゃん「オラと博士の夏休み」~おわらない七日間の旅~』が発売された。こちらは「ぼくのなつやすみ」シリーズの綾部和氏が手がけている。
「バイオハザード アウトブレイク」シリーズ
最新作の発売日:2004年9月9日
経過した年数:18年
名作サバイバルホラー「バイオハザード」を題材にした外伝シリーズ。『バイオハザード2』と『バイオハザード3 ラストエスケープ』の話を別視点から描いた作品で、人をゾンビに変える“T-ウィルス”の漏えいで地獄と化したラクーンシティを舞台に、事態に巻き込まれた市民たちが生き延びるために戦うという内容だった。
特殊部隊“S.T.A.R.S.”の隊員を始め、主人公が戦闘のプロであることが多かったそれまでの「バイオハザード」シリーズとは異なり、本作に出てくるキャラクターのほとんどは一般人。操作キャラクターの設定だけでなく、ゾンビ化するまでに抗体を打たなければゲームオーバーになる“ウィルスゲージ”というシステム、さらにオンラインに対応した協力プレイなど、さまざまな要素が詰め込まれていた。
本シリーズは2003年とその翌年に1作ずつ発売されているが、当時は現在ほどオンラインプレイが普及しておらず、図らずとも時代を先取りするような形になった。そうした背景もあり、いまこそ新作を出してほしいという声は多い。
『ブラッドボーン』
最新作の発売日:2015年3月26日
経過した年数:7年
19世紀のビクトリア時代をモチーフにしたアクションRPG。古都のヤーナムを訪れた主人公は、ある理由から獣を狩る“狩人”となり、ヤーナムを覆う“獣狩りの夜”を終わらせるための戦いに身を投じる。本作の作風はホラーに近く、“獣の病”や“上位者”といった、得体の知れない要素がプレイヤーの恐怖をかき立てた。
バトル関連では、変形前と後でふたつの姿をもつ“仕掛け武器”が特徴だ。たとえば直剣が大剣に、曲剣が大鎌になったりと、そのバリエーションは多岐に渡る。さらに相手を適切なタイミングで撃ち抜いて体勢を崩させる、通称「銃パリィ」や、ステップ回避を軸にしたスピード感の速いバトルシステムも導入されている。
本作の人気は現在でも高く、特に海外では『ブラッドボーン2』を望む声も散見される。少し前には、海外で制作されたデメイク(原作を古い手法で再構成すること)版『ブラッドボーン』がPC向けに配信された。こちらは無料で現在でもプレイ可能だ
『逆転検事』シリーズ
最新作の発売日:2011年2月3日
経過した年数:11年
弁護士の成歩堂龍一が、ハッタリと集めた証拠を武器に真実を暴いていく『逆転裁判』のスピンオフシリーズ。「逆転裁判」シリーズではライバル的ポジションだった御剣怜侍が主人公を務めている。2009年に第1作が、2011年にはその続編が発売された。
本シリーズの謎解きは、捜査パートと対決パートのふたつで構成されている。捜査パートでは事件現場で証拠を集め、対決パートでは集めた証拠を使って真犯人を突き止めていく。ささいな矛盾から真実への糸口を見つけていくのが「逆転」シリーズの醍醐味であり、それは本作でも変わらない。そこに、事実を組み合わせて新たな情報を手に入れる「ロジック」など、理詰めで物事を考える御剣らしいシステムも実装されていた。
「逆転検事」シリーズは元々ニンテンドーDS向けの作品だが、いまはiOSとAndroidで移植版を遊ぶことができる。現代でも遊びやすい配慮がされているのはありがたいものの、御剣は「逆転」シリーズでも屈指の人気キャラクターであるだけに、ファンからは続編が望まれている。