ペットの魚、ゲーム配信中にクレジットカードで秘密の課金!?　ネットをザワつかせた珍事件

　自作の電子回路搭載コントローラーと各種プログラムを用いて、ペットの熱帯魚が「ポケモン」シリーズをクリアするという配信をYouTubeで行っている、「むてきまるちゃんねる -Mutekimaru Channel-」。

　独特の切り口でコアなファンを集めている同チャンネルだが、1月15日、『ポケットモンスター バイオレット』の配信中に前代未聞の事件が起こった。なんと「配信中にペットの魚たちが飼い主のクレジットカードを利用し、500円の課金を行った」というニュースがネット上を駆け巡ったのである。

　同チャンネルのプレイでは、水槽の位置にゲーム機のAボタン、Bボタン、矢印などのコマンドが割り当てられており、カメラで検知した魚の位置で、対応するコマンドが実行されていく。文字通り、魚たちがゲームをプレイしている状態だ。

魚がNintendo Switchを自在に操作

　放送事故とも言える事態は、配信開始から約4時間57分後に起こった。このときは『ポケットモンスター バイオレット』のプレイ中で、カラフシティとロースト砂漠の境目で突如エラーによってソフトが落ちてしまったのだ。しかし、エラー落ち後も魚たちは元気に水槽を泳ぎ回り、Nintendo Switchの画面をスムーズに操作する。

　ホーム画面からマイページを開き、フレンド関連の設定をひとしきりいじると、続いてユーザー設定画面を表示。プロフィールの管理やアカウント情報、ニンテンドーアカウントやeショップ関連の重要な項目が並ぶこの画面では、なんと飼い主のアカウントのニックネームを変更してしまう。一度は設定が完了したかと思われたが、どうやら名前が気に入らなかったのか2度目の変更を行い、最終的に「むてきまる」から「ろわわわ¥」に変更が完了した。

　まさかの事態に視聴者はヒヤヒヤしつつも、この段階では「魚がニックネームを変更しちゃうなんて」という微笑ましさもあった。しかし再びプロフィール画面に戻ると、今度はNintendo Switch本体のゲームプレイ記録を公開し始める。

　Nintendo Switchでは、このプレイ記録に表示されるソフトを選択すると、ニンテンドー eショップで該当ソフトの詳しい情報を見ることができる。今回はその仕様がアダとなり、最後尾に表示された『TETRIS 99』から流れるようにニンテンドー eショップへ遷移してしまう。

ニンテンドー eショップでの攻防、そして課金へ

　ニンテンドー eショップに到着すると、早速飼い主のアカウント情報にアクセスする魚たち。ここでは飼い主のクレジットカード情報がYouTube配信に公開され、コメント欄は大慌てに。

　ニンテンドーeショップのアカウント情報からは、ショップ内で買い物をするための残高を追加できる。そしてあらかじめクレジットカードを登録している場合は、Aボタンを何度か押すだけで課金が可能。すなわち、魚たちにも課金が可能な状態が整ってしまったのだ。

　しばらくは新しいクレジットカード情報の登録画面でデタラメなカード情報の入力が続いたり、別ページに移動したりという時間が続いたため、「このまま飼い主が気づいてくれれば何とかなる！」という雰囲気に包まれていたのだが、魚たちは粘り強く、繰り返し残高追加画面を表示させる。

　そしてついに、決済の最終確認画面まで辿りつき「→」方向キーとAボタンが押されれば課金されてしまうという状況に。

　ここで画面中央を漂っていた魚が左端に消えた瞬間、勢いよく折り返して「→」方向キーを選択。補足すると、このシステムは、画面内に魚がいなくなると自動的にAボタンが押される仕組みになっている。先ほどの魚が「→」方向キーを選択した直後に体をヒラリと翻しカメラの判定から消えたため、システムは「画面上に魚が居ない」と判断。ここまでどうにか持ちこたえてきたが、ついにAボタンが選択され、500円の決済が完了してしまった。

　その後もNintendo Switch Onlineでプラチナポイントを獲得したり、プラチナポイントでアイコンパーツを引き換えたりと、魚たちは驚きの動きを連発。最終的には『NINTENDO 64 Nintendo Switch Online』を無料ダウンロードが行われたのだが、ここで魚たちがNintendo Switchの本体をスリープに切り替え、ひとまずは事なきを得た。

　システムを操作する魚たちは配信中ずっと画面に映し出されているので、「本当に魚が操作したのか？」という部分については、もはや疑う余地はない。しかし配信を見ていると、「まるで魚たちが何らかの意思をもって操作しているのではないか」と思えてしまうほどだ。

　こうした騒動があった「むてきまるちゃんねる -Mutekimaru Channel-」だが、いまも魚たちは『ポケットモンスター バイオレット』の攻略を元気に行っている。気になった方は、ぜひ配信を覗いてみてはいかがだろうか。また自作の魚ポケモンシステムについてもチャンネル内に解説動画がアップされているので、気になる方はぜひチェックしてみてほしい。