「世界で一人だけ、わたしだけが郡道美玲」 強烈な自己意識から生まれたにじさんじの"最速最強イニシエーター"

"にじさんじの最速最強" 郡道美玲

 冒頭にあげたオーディションの部分に戻れば、2018年11月16日に公開されたオーディション紹介のキャラクター例に郡道美玲が取り上げられていることが分かる。つまり、公開されてからデビューまで2か月と経っていないなかで彼女はデビューしており、この点は先にデビューしている童田・久遠も同じだ。

 そんな彼女はオーディションについて、デビューから約半年経過した2019年8月22日にYouTube登録者が10万人を突破した記念枠で語っている。そのエピソードは、おそらくにじさんじ所属メンバーのなかでも最もインパクトあるものだ。

【記念枠】11万人&12万人&半年&Twitter10万人を祝いながらにじさんじオーディション動画公開したり歌ったりするんだけどあれこれ待って枠足りない【にじさんじ/郡道】

 「正直にじさんじは全然知らなかった、たまに切り抜きを見るくらい。すっごいデカイ口を叩くけど、受かると思ってて」

 「童田・久遠・フミとわたしとユードリックとあって、どれにするかのチェックを入れるやつだったんだけど、わたしは郡道美玲なので『わたしがおるやん』と思ってチェックをいれて、その他のところはチェックを一切入れなかった。わたしは群道美玲なので、それ以外は興味はありませんって」

 「クソ恥ずかしい話をするけど、三次試験のときに5人分のイラストやあたし(郡道)の別の衣装も描いて、『他の4人って決まりました? 話してみたいんですよ』って切り出して、童田・久遠・フミ・わたし・ユードリックの5人でこういうことがしたい!という話をバーっと話をしたの」

 「噂にすぎないけどもの凄い人数がオーディションを受けたって聞いています。けど、わたしだけが郡道美玲だと胸を張って言えます。わたしが郡道美玲。世界で一人だけ、わたしだけが郡道美玲だと思ってます、応募した時からずっと思ってる」

 応募最終日の11月26日の23時59分に応募、12月14日に電話面接、12月24日に最終面接へとステップを踏んでいったという。圧倒的なる自身・自負、先走って前のめりになるほどのアグレッシブな姿勢、多くの人が臆する場面であっても強烈な自己主張が止まらず、むしろ迸らせるオーラとなっているのがわかる。

 このキャラクターがあったからこそ、デビュー直後から彼女はいくつもの名場面・モーメントを作っていくことになる。

 ファンならばご存知かと思うが、郡道美玲といえば、にじさんじらしい破天荒・慇懃無礼なキャラクター・言動で注目をひくキャラクターだ。

 バイオレンス&エロなブッコミをためらいなく相手にぶつけてイジったり、少しでもユルいボケが来たらボケのようにツッコミをし返し、声を荒げて「なんでだよおまえぇ!」「フザけんなよぉ!!」と叫ぶリアクションもバッチリ。

 MC役を長くこなしているということもあり、会話をうまく転がす回し役としても機転が効くので、会話内容に気を付ければ初対面のメンバーもかなり場に馴染みやすいはずなのだが、彼女はあえて鋭利なナイフのような内容と言葉遣いで相手に言葉を投げつける。

 教員免許を実際に持ちながら、さまざまなアルバイトを経験しており、じつは夜職に就いていたことがあると語っている。彼女のコミュニケーション力がいかに高いかが分かるだろう。

【切り抜き】初逆凸!郡道誕生日突発企画【因幡はねる鴨神にゅう天宮こころ夜見れな千羽黒乃虫眼鏡クレア犬山たまき歌衣メイカ渋谷ハジメ咲乃もこルイス・キャミー文野環アンジュ・カトリーナカワセモスラメソ多数】
【切り抜き】ライバーの給料っていくら?^^治安悪麻雀コラボ【舞元啓介/天開司/レイン・パターソン/にじさんじ郡道美玲】

 デビュー当初から暴れ馬かつ尖っていた彼女とコラボするには、相応の対人コミュニケーション力が求められる。そんな彼女にピッタリだったのがSEEDs2期生として先にデビューしていた神田笑一だった。

 初めて2人でコラボした配信は、運とお金を大量に使って試されるガチャ配信(その前に夢月ロアらを含めてのコラボ配信がある)。お互いにTYPE-MOONが好きだったというのがキッカケというが、まさか人間の本性がダイレクトに出てくるガチャ配信をするとは。この2つの配信は、その後の関係性が決定的になった配信であろう。

【FGOガチャ】殺生院キアラ爆死(したくない)配信

 両者ともに頭の回転が非常に早く、お笑い的なボケ・ツッコミのやり取りはもとより、気づく・察する・とぼける・勘ぐる・はぐらかすなどを含めた日常会話がハイテンポで積み重なっていく2人の空気は、長年連れ添った友達か?と感じられるほど。

 「〇〇して!っていうか××ってなに!?」という郡道のメッセージに、「えーっとそれはね……」と答える神田のリアクション、そのあと言い争うように会話していく流れも含めて、まさに「ケンカップル」という言葉がハマるだろう。

 「にじさんじの男女2人組ペアといえば?」という質問があれば、いまでもこの2人のペアは強い支持を得るだろう。そもそも彼らほどに「男女関係」を強烈に印象付けるペアも、それ以前のにじさんじまたはVTuberシーンでもかなり稀であったこともあり、「VTuberの男女ペア」の先駆けともいえる存在かもしれない。

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