バン仲村、飯田将成......スターが誕生した『BreakingDown』 一過性のブームか、それとも“格闘技界の文化”となるか?
2022年は、朝倉未来がプロデューサーを務める1分1ラウンドルールの総合格闘技大会「BreakingDown」が、YouTubeを席巻した一年だった。
先日、2022年10月1日~10月31日にアップされたYouTube動画の月間再生数ランキングTOP10が、株式会社アナライズログが運営するYouTube分析ツール「Digital Creators」調べにより発表された。本ランキングによると、1位に輝いたのは、朝倉のチャンネルにて公開された「BreakingDown6」のオーディション動画Vol.4で、再生回数は942万回だった。以下、2位、3位、5位、6位にも同大会オーディションのナンバリング動画がランクイン。TOP10のうち実に半分を「BreakingDown6」のオーディション動画が占めるという、圧巻の影響力を見せつけた。
(参照:PR TIMES 【YouTuberランキング】月間動画再生数~「BreakingDown」で話題の朝倉未来が上位独占~(10月))
「BreakingDown」の第一回大会が開催されたのは、2021年7月4日のこと。その3日後の7日には、朝倉のチャンネルで全試合の模様が公開されている。以降、同年9月26日開催の第2回大会、11月27日開催の第3回大会も、実施直後に朝倉のチャンネルで全試合動画UPするという施策を展開し、3本の動画は100万再生を優に超える再生数をマークした。
しかし、「BreakingDown」が本当の意味でバズったのは、2022年3月21日開催の第4回大会から。きっかけは、本戦の前段階にあたる「オーディション」を動画化したことに他ならない。このオーディションでは、ひな壇ゲストに迎えた“アウトローのカリスマ”の異名で知られる瓜田純士や、21年11月に配信されたABEMAの「朝倉未来にストリートファイトで勝ったら1000万円」企画の出場メンバーらと、大会出場を目指すアウトローたちが一触即発のにらみ合いを展開。また、アウトロー同士の金網デスマッチも行われた。
こうした刺激要素満載の第4回大会のオーディション動画前編は889万再生、中編は496万再生、後編は736万再生と、爆発的な再生回数を叩き出した。以来、大会前に対戦者同士の因縁を明確化することで、本戦への期待値を上げるこのオーディション企画の構造はフォーマット化。第5回大会、そして先述の第6回大会を大いに盛り上げる要因になったのは、言うまでもない。
「BreakingDown」がYouTubeにおける一大人気コンテンツ化していく過程で、様々な同大会発のスターファイターも生まれた。「BreakingDown」における“エース”との呼び声の高い元プロボクサー・飯田将成や、“戦う料理人”の異名を持つこめお、瓜田の旧友で45歳の彫師・バン仲村、「武器を持った10人を1人で叩きのめした」と豪語する「10人ニキ」こと鈴木大輔などがその一例。以上のメンバーは「BreakingDown」に参戦する前までほとんど無名に近かったにもかかわらず、今や全員チャンネル登録者数10万人を超えるインフルエンサーであることを考えると、「BreakingDown」の影響力恐るべしだ。
また2022年は、バン仲村がSEOを務める「ケンカバトルロワイアル」や音楽グループ「Repezen Foxx」が主催する「炎上万博」、YouTuberヒカルによる「バトルミリオネア」など、「BreakingDown」に類似した大会も次々と立ち上げられた。アウトロー同士のバトルに確かな訴求力があることを「BreakingDown」が証明したので、今後も、模倣する企画が雨後の筍のごとく生まれても不思議ではない。
とはいえ、流行はいつか過ぎ去るもの。2022年に大成功を収めた「BreakingDown」だが、一過性のムーブメントで終わるのか、それとも長く親しまれるYouTubeおよび格闘技界における一つの文化となるのか。2023年、勝負の2年目の動向に注目したい(※本文中の再生回数、登録者数は2022年12月31日時点のもの)。
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