キヨ。の『ブレワイ』実況、2022年YouTube「国内トップゲーム動画」部門で1位に
YouTubeが発表した、2022年の「日本のYouTube年間ランキング」。
再生数、評価、シェアの数といったさまざまな要素をもとに「国内トップトレンド動画」「国内トップ音楽動画」「国内トップ登録者増加クリエイター」「国内急成長クリエイター」「国内トップショート動画」「国内トップゲーム動画」の6つのランキングが公開された。
2022年「日本のYouTube年間ランキング」発表 ヒカキン&セカオワFukaseのコラボが戴冠
YouTubeが、2022年の「日本のYouTube年間ランキング」を発表した。 2022年にYouTubeにアップロードさ…
そして今回「国内トップゲーム動画」部門で1位に選出されたのが、ゲーム実況者キヨ。の「世界が絶賛した史上最高の神ゲー『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』#1」だ。
再生数は580万回以上を突破(2022年12月12日現在)、今回の1位を受けて動画のコメント欄には「また1から見直します」「また来ました」という声も多く、今後も伸び続ける動画になることは間違いないだろう。
ブレワイ実況がYouTubeの年間ゲームランキングで1位を取ったらしいです。そうです。キヨ日本一ってやつです。キヨさんおもしろかっこいい優しい天才いい匂いする一緒にいると落ち着くだなんてありがとうございます。 pic.twitter.com/3YvFSl2yyI
— キヨ (@kiyo_saiore) December 6, 2022
『ゼルダの伝説 ブレスオブ ザ ワイルド(以下、『ブレワイ』)』は2017年に発売された大人気オープンワールドゲームだ。2017年の日本ゲーム大賞も受賞し、その後の多くのゲームにも多大な影響を与えており、2023年5月には続編となる『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の発売も控えている。
『ブレワイ』と日本屈指のゲーム実況者であるキヨ。が交わった2022年、このタッグがなぜ「国内トップゲーム動画」1位となったのか、その理由を紐解いてみたい。
かゆいところに手が届くプレイングと高いゲームセンス
まず筆者含め、作品をプレイ済みの視聴者が多かったのではないだろうか。本作の特徴は広大なオープンワールドマップを進む中で、ついつい寄り道をして目的を見失うのが醍醐味だ。視聴者の立場からすると、ハイラルの台地で目覚めたリンクとキヨ。が冒険の中でどんなリアクションを見せてくれるのか、ストーリーへ反応を示すのかに注目が集まった。
プレイ済みだからこそ「ここに気づいてほしい!」と思ってしまう視聴者の欲求に、その高いゲームセンスで応えてくれる様子は、まさにかゆいところに手が届くプレイングだったと思われる。また、動画は編集されているので無駄なシーンが少なく、長尺でも見どころが詰まった楽しいものになっていることもポイントだ。
マップの広大さに大はしゃぎする様子や、イワロックとの攻防、寄り道では細かい要素やギミックもきっちり回収、ストーリーの導入となるハイラル王(ズル爺)とのやりとりでは、ツッコミもありつつ、丁寧に感情移入する様子が見てとれる。
「今日はですね、進みます」(進まない)
はじまりの台地にてチュートリアル終了後、パラセールを入手すると、プレイヤーは東にあるカカリコ村に向かうよう促される。しかし、キヨ。は何の躊躇もなく反対の西側(ゲルド地方)に飛び立つ。そのため、始まりの台地を飛び出してすぐにヒノックスと出会う。その後、砂漠で4神獣の一体であるナボリスまでたどり着いてしまう。
オープンワールドゲームなので、どこに行くも自由、ストーリーを進める進めないも自由なのだが、ハチャメチャで自由すぎるプレイに思わず目が離せなくなるのだから、不思議なものである。結果、1本の動画が1時間を超える実況となり、メインストーリーのスタート地点となるカカリコ村にたどり着くまでに6パートを要した。
パート6あたりからキヨ。は実況の冒頭に「今日はですね、進みます」と宣言してスタートするようになるのだが、案の定寄り道がはかどり、ストーリーがまったく進まない。この頃から動画のコメント欄には「この実況永遠に終わらないのでは?」「パート100超えるだろ」など実況に対する不安と煽りがじわじわ増えていく。
ストーリーへの理解と共感
進まないと言いつつも、やはり徐々にストーリーは進んでいくのがゲーム実況の面白いところだ。神獣の開放と、ゼルダとの思い出の地をめぐる中で、100年前の記憶を徐々に取り戻していく。
2人が向かったのは、デスマウンテンのふもとに広がるゴロン族の村だ。神獣、そしてゴロンの英傑ダルケルとの思い出を取り戻したリンクとキヨ。人気の高い『ブレワイ』のストーリー、英傑たちとのやり取りにもしっかり共感し、細かいところまで気づいてくれるリアクションは必見だ。プレイ済みの筆者も、実況を見ながらプレイ当時の感情や感動を思い出し、より楽しむことができた。
ゼルダとの思い出を取り戻す旅でも、断片的に明かされるゼルダの心境や人物像などを踏まえ、当時の状況をしっかりとすくい取ったリアクションをしてくれるので、「あのシーンではどんな風に感じてくれるだろう」という期待や楽しみが膨らんでいった。