ついに軽自動車もEVの時代へ! 日産『サクラ』と三菱『ekクロスEV』がカーオブザイヤー受賞 人気の秘密はお値打ち価格にもアリ?

ついに軽自動車もEVの時代へ!

 2022〜2023の「日本カーオブザイヤー」に選ばれた日産『サクラ』と三菱『ekクロスEV』。今年6月にに発売された両車はメカニズムは共通だが、メーカーの個性を感じられるモデルになっている。今年の顔ともなった両車をここにご紹介!

基本メカニズムは共通なれど

 今年のカーオブザイヤーを受賞した日産『サクラ』と三菱『ekクロスEV』。どちらも2011年に日産と三菱が作った合弁会社、NMKVによるものだ。NMKVとは日産、三菱、軽、ビークルの頭文字で文字通り軽自動車に特化した企業。特に日産はOEMはあったが、2011年まで軽自動車の製造を行っていなかったバックボーンもあり、OEM供給元の三菱とタッグを組んだカタチだ。そこで製造されるクルマは、日産側が「デイズ」、「ルークス」シリーズ。

 

三菱側が「ek」シリーズになっている。

どのモデルもメカニズムは共通。しかし、内外装のデザインは大きく異なるほか、装備もメーカーの色を出すなどし、差異化をはかっている。

デザインには訳がある

 サクラのエクステリアは同ブランドのEV車の旗艦、アリアに通じるデザインを採用し、ブランドのEVシリーズというアイデンティティを意識しているものだ。

インテリアも同様で『サクラ』が採用するのはアリアにも通じる、2本スポークのデザイン。

 対して『ekクロスEV』は『ekクロス』同様のデザインを採用。いわゆるダイナミックシールドと呼ばれるフロントフェイスは「アウトランダー」や「デリカD:5」に通じるもので悪路の三菱、ラリーの三菱といったタフさを表現。

 『ekクロスEV』のステアリングはスポーティな3本スポークを採用している。また両車とも内装の質感はコンパクトー並かそれ以上で、登録車からの乗り換え組、ダウンサイザーも納得の仕上がり。このようにいくらメカニズムが共通とはいえ、微妙な違いがメーカーの個性を出している点も注目。

日常生活にぴったりな走行性能

 共通のメカニズムを持つ両車。駆動用バッテリーは20kWh。組み合わされるモーターのスペックは、軽自動車の自主規制値いっぱいの47kW(約64PS)/195Nm。航続距離は180km(WLTCモード値)。日常生活の足として使われる軽自動車では1回に100kmを走ることは少ないといわれており、まさに普段使いにピッタリな距離なのだ。もちろん走行性能はモーターのトルクフルな特性で加速が鈍いことは皆無だし、EVの静粛性を存分に味わえるのは短距離などの下駄に使うクルマとしても魅力のひとつ。

更にびっくりな価格設定が爆売れの理由

 軽自動車といえどもEVでは価格が高くなる、かと思いきやそうではないのも人気のヒミツだ。日産『サクラ』の価格帯は233万3100円から294万300円。三菱『ekクロスEV』の方は239万8000円から293万2600円になっている。この価格だけをみるとなかなか「いいお値段」なのだが、国のCEV補助金が55万円ある。加えて自治体で差があるが自治体独自の補助金を設けているところもある。東京都ならば国の補助金に加えて45万円の補助金が受けられる。国のと合わせれば合計99万円もの補助金が利用可能。最新の技術が詰ったクルマが200万円程度で購入可能になってくるのだ。もちろん補助金には「しばり」もあるのでこのあたりはディーラーで確認したいところ。
 最後に両車の装備には若干の差があるのだ。例えば日産『サクラ』の最上級グレードには三菱『ekクロスEV』がパッケージオプション設定しているプロパイロット(三菱名マイパイロット)が標準装備。その逆に三菱『ekクロスEV』がSRS運転席ニーエアバッグが全モデル標準装備なのに対し、日産『サクラ』は上級グレード以外はセットオプション設定になっている。

 それまでEVイコール高額車という概念を打ち破る価格と軽自動車規格でのEV、充実した運転支援機能なども評価されてのカーオブザイヤー受賞なのだ。

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