『Fortnite』から3,000ドルでイラスト制作依頼をされたアーティストが話題に 断った理由とは?

『フォトナ』のイラスト依頼を断ったアーティストが話題に

  全世界で3億人以上のプレイヤーがいる人気バトルロイヤルゲーム『Fortnite』。今回は、2018年の売上額が約6500億円を超えた世界的人気ゲームからの依頼を断ったクリエイターが話題になっている。

 『Fortnite』からの依頼を断ったとTwitterに投稿したのは、イラストレーターのDeb JJ Lee氏。3,000ドル(約41万円)でイラストを描くオファーをされたのだが、それは著作物に対する権利も全て受け渡すような依頼だったという。著作権も受け渡すということは、自身でポスターやプリントを売る権利もないということであり、Lee氏は「こんなに売上がある人気ゲームからの依頼がこれでは、生活もできない」という旨をツイート。

 フルタイムのフリーランスアーティストとして活動しているLee氏は、過去にはNew York Times、NPR、Facebook、LEGOなどのクライアントと仕事をし、さらには自身の本も出版している、いわゆる“プロ”のアーティストだ。しかもロンドンとニューヨークにあるアート・エージェンシーDebut Artと契約しており、Instagramのフォロワーが7.8万人、Twitterのフォロワーが10万人いる。Lee氏は、『Fortnite』のような人気ゲームからの「著作権受け渡しで3,000ドル」という依頼が、いかに不当かということをTwitterにて説明している。

 Lee氏のエージェントは、コミッション額の30%を仲介料としてもっていくようで、その手数料と税金を引くと、売上は1,400ドルほどになるとも説明。さらにLee氏の健康保険は毎月700ドルであり、イラストの制作に2週間ほどかかると仮定すると、住む場所の物価によっては、コミッションのみでは生活ができない金額になると述べる。ポスターやプリントを販売するために著作権を持つことが「アーティストにとって最も重要なこと」と語るが、『Fortnite』からは著作権も受け渡すように言われ、今回の依頼を断ったようだ。

 ちなみに現在は著作権も受け渡すコミッションの場合、15,000ドルから仕事を受けているようだ。Lee氏は「もちろん、もし私が駆け出しで困っていたら、受けていると思う」と述べており、2011年には20ドルで仕事の依頼を受けていたという。また、Lee氏はイラストに対するコミッションの平均金額がここ100年間上がっていないというデータも提示しており、いかにイラストレーターという仕事が重要視されていないか、ともコメントしている。

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