宇宙空間から卵を落下させるとどうなる? 元NASAの海外YouTuberが身を削って実験
天才は時に凡人にはわからない目標を持ち、達成するものだ。
庭にリス用の迷路を作ったり、キラキラ爆弾を作ったりと、独創的な動画で人気のYouTuber・マーク・ローバーが、宇宙空間から米・カリフォルニア州のビクターバレーに2つの卵を「割れないように」投下した。
ローバーは異色の経歴の持ち主だ。NASAに9年間勤務し、その後、アップル社で5年間、VR技術に携わった後、退職してYouTuberに転身した。
プロジェクトの構想は3年近く前から練られていた。NASAに勤務していたときに他の惑星に機材を着陸させた経験から、成功を確信していたそうだ。しかしプロジェクトは「肉体的、経済的、精神的に最も消耗する動画」になったと告白している。
当初の計画では卵をロケットに貼り付け、それを大きな気象観測気球で吊り上げるというものだった。ロケットは宇宙空間で放出され、落下地点の上空に誘導される。地上300フィート(約91メートル)の地点で卵を放ち、特殊なマットレスに向かって自由落下させるというものだ。
しかしプロジェクトは一筋縄ではいかず、計画は何度も練り直された。卵が超音速で落下するように、大きく重いロケットを気象観測気球で持ち上げることになった。ヘリウムで満たされた気球がロケットを放ち、ロケットは分離を始める。卵を乗せたロケットの一部は減速した後、パラシュートとクッションエアバッグを展開する。発射直前にもロケットの接続部分と、卵を保護するためのクッション性が見直された。
チームは2万フィート(約6キロメートル)の上空で、気球を自律的に切り離すことに成功した。着地したロケットから卵を取り出したローバーは、割れていないことを確認して高く掲げ、卵にキスをした。
ローバーは、この宇宙からの卵投下プロジェクトを通じて「人生において、物事が思ったように展開することはほとんどないことを思い知った」と語り、動画を締めくくっている。