シリーズ初の試みが活発なマルチプレイを実現 『CoD BO2』スコアストリークの偉業を振り返る
2022年11月22日、字幕版『Call of Duty: Black Ops 2』(以下、BO2)が発売から10周年を迎える。本作は、世界的人気を誇るFPS「コール オブ デューティ」(以下、CoD)シリーズの9作目。前作『Call of Duty: Black Ops』で描かれていた1980年代から2025年という近未来に舞台を移し、レアアースを巡って対立するアメリカと中国の新たな冷戦をテーマにしていた。
同シリーズではおなじみのマルチプレイは本作でも健在で、10個のスロットを使って武器や装備品を自由に着脱できる「Pick10」や、獲得したスコアに合わせて「ストリーク」という報酬を得られる「スコアストリーク」など、シリーズ初となるシステムも盛り込まれていた。
本稿ではこの「スコアストリーク」に焦点を当てて、この要素がいかに『BO2』のマルチプレイに影響を与えたかについて解説しよう。
キルと勝利、どちらを取るのか
ストリークとは、特定の条件を満たしたプレイヤーが使える報酬のこと。相手の位置を味方のミニマップに示す「UAV」や、指定した地点を砲撃させる「迫撃砲」、自分で操作して任意の場所を攻撃する「巡航ミサイル」など、さまざまな種類がある。プレイヤーの力量以外にも展開に影響を与える要素が出てきたおかげで、試合の流れが流動的になったり、戦い自体が派手になったりと、メリットは多い。
2007年に発売された『Call of Duty 4: Modern Warfare』(以下、CoD4)で初めて登場してから、2022年の『Call of Duty: Modern Warfare II』(以下、MWⅡ)に至るまで、ストリークというシステムはほとんどのシリーズ作品に採用されてきた。
このストリークを手に入れるための手段として、『BO2』では自分が操作しているキャラクターが死ぬまでに連続で獲得したスコアに応じて、プレイヤーがあらかじめ設定しておいたストリークを得る「スコアストリーク」を採用している。
スコアを得るなら敵を倒すだけでもいいが、効率よく稼ぐとなると、ルールに則って動いたほうがいい。相手を倒すのが目的の「チームデスマッチ」はともかく、倒した敵が落とす「タグ」を集める「キルコンファームド」であればタグを集める。陣地を取り合う「ドミネーション」なら陣地を取る。これだけで自然とスコアは増えていき、死にさえしなければプレイヤーはストリークを得られる。
場合によってはストリークが試合の流れすら左右することもあるので、プレイヤーとしてはなるべくストリークが欲しい。そして、そのストリークを得るのに必要なスコアはルールに絡むことで多く手に入る。量は少ないが、敵の装備を壊したり、相手が要請した偵察機を撃ち落としてもいい。必ずしも敵を倒す必要はないのだ。この点だけでも、キルが苦手なプレイヤーにはありがたい。
ルールに絡めば勝ちやすくなるだけでなく、立ち回りの技術も上達する。すると稼げるスコアが増えるので、よりストリークを得やすくなっていく。ストリークを手に入れたいというプレイヤー側の心理を試合の展開に結びつけたことで、『BO2』のマルチプレイは過去作と比べても活発な試合が多かったように思う。