航空部品がガチャに!? リサイクル率はなんと96%超、『ボーイング777』を無駄なく再生するJALのこだわり(後編)
初運航から15年、飛行時間3万時間、飛行回数は3万回にも及ぶJAL『ボーイング777-200』(機番JA772J)。役目を終え静かにリサイクルを待つ機体は従来は国外で行っていた作業を日本で行うこととなる。
前年度の『JAL777-300(機番JA8945)』に続いて、JALとしては日本国内でリサイクルをおこなう2機目となる機体は再利用出来るものは製品化することでサステナブルで新しい商品が誕生。部品の特徴やJAL社内各セクションのスタッフの声・意見を反映してひとつひとつ具現化されている。『ボーイング777』は、大人から子ども、そして航空機ファンにもたまらないアイテムとなって生まれ変わるのだ。
JALエンジニアリングの整備技術を生かした加工品
構造修理と部品修理に特化した各部門のエキスパートが普段おこなっている金属のドリル作業や、削り出し、研磨作業といった技術を活用し商品開発を行っている。現場では『ボーイング777』のエンジン後部遮熱板を活用した『チタン合金製キーホルダー』『プレート』が展示されていた。エンジンの熱により、青く変色し、色ムラもあるため、逆にひとつとして同じものはない「オンリーワン」の商品となっている。1/1000インチ単位で絵柄と文字を削り出す、高度な航空機整備技術が活きているのだ。
機体構造を生かした商品
機体外板の貨物室の操作に用いたカーゴ操作パネルや、胴体底部に装着されている電波関連アンテナ、窓側の窓が一体で切り出している。普段、触れるどころか見たこともないもの(アンテナや操作パネル)が身近に感じられる仕様となっている。この商品の販売時期は未定だが、JALは準備が整い次第、コレクションアイテム販売サイトにてラインナップする予定だ。
ライフベストの新たなアップサイクル品
機種、機番に関わらずJALは年間約2,000着のライフベストを定期交換。当然のことながら綺麗な状態のまま廃棄していた。いや、奇麗な新品のままでリサイクルされるのが正しい事なのかもしれ ない。そんな中、もったいないとサステナブルな声が整備士から上がり、ポーチを製作。搭乗してもセイフティビデオでしか見たことのないライフベストが形を変えて身近な商品となっている。