『Age of empires』25周年 ゲーム史に名を残すリアルタイムストラテジーの名作
2022年10月15日、コンピュータゲーム『Age of empires』は発売25周年を迎える。本作は、リアルタイムストラテジー(以下、RTS)と呼ばれるゲームジャンルを世に知らしめるきっかけとなったタイトルだ。今回は、25周年を機に、名作RTS『Age of empires』がどのようなゲームだったのか解説する。
資源を集め、町を作り、軍隊を作る
『Age of empires』は、1997年10月15日にマイクロソフトより発売されたRTSゲームだ。RTSというゲームジャンルをご存知でない方のために説明すると、「ターン制を廃し、リアルタイムに進行するシミュレーションゲーム」と考えてもらえばいいだろう。目まぐるしく変化する戦況に合わせてさまざまなユニットに指示を出していく必要があるため、操作は非常に忙しいものの、戦略性とアクション性を同時に楽しめるジャンルである。『Age of empires』はそんなRTSにおける最初のヒット作であり、RTSというゲームジャンルを世に知らしめた。
『Age of empires』は、実在した古代文明同士の戦争を描くRTSゲームである。しかし、単純に軍隊を動かすだけで完結するゲームデザインではない。本作を特徴づけていたのは、”町の人”を駆使した町づくり要素やリソース管理といった内政部分だろう。
本作では、ゲーム開始当初は拠点の建物(町の中心)と”町の人”と呼ばれる戦闘能力が低いユニットしか用意されていない。しかし、町の人は食料や木、石材といった資源を収集することができる。また、これらの資源がなければ兵士を作成したり、建物を建てたりすることは不可能だ。さらに、本作では城や城壁、兵隊の訓練施設といった建物の建築もすべて”町の人”が行うことになる。
よって、ゲーム開始直後は「”町の人”を何人作成するか」「どの資源の採集にどれだけの”町の人”を割り当てるか」といったマネジメントが重要となる。いち早く資源を集めたり、建物を建てたりするためには町の人をたくさん用意する必要があるが、町の人ばかり生産していてはいざという時に食糧が不足したり、人口の上限に到達して軍隊をあまり作れなかったりという問題にも直面する。このようなリソース管理こそ本作の見どころといえるだろう。
“時代”を進化させてより強大な文明を作ることも
『Age of empires』のもう一つの特徴が”時代”システムだ。ゲーム開始時はすべてのプレイヤーの時代が「石の時代」となっているが、資源を消費することで「道具の時代」「青銅の時代」「鉄の時代」と進化させることができる。時代を進化させれば、ガレオン船や重装騎兵、攻城戦に役立つ投石器といった強力なユニットを作成することが可能だ。時代が進んでいるプレイヤーほどあらゆる場面で優位に立てるといえるだろう。
しかし、時代を進化させるためにはその時代の建物を2つ以上建てる必要があるほか、進化が完了するまでの待機時間も長い。また、進化の待機時間中は町の人を追加で生産できないというデメリットがあり、消費する資源の量も多いため、刻々と変わる戦況に対応しながら時代を進化させるのは意外と難しい。なかには、ゲーム序盤から数にものを言わせた軍隊で特攻をかけてくるプレイヤーもいるため、思うように時代を進化させられないケースも多かった。とはいえ、このあたりの駆け引きこそ『Age of empires』の醍醐味だろう。
“町の人”を用意し、資源を集め、軍隊の訓練施設を建設し、兵士を作成して、時代を進化させ、敵を攻略する……。これらのタスクをリアルタイムで進行していくことになるため、『Age of empires』の操作は多忙の一言に尽きる。しかも、その流れのなかで、敵の襲撃によるユニットや建物の喪失といったリスクまで考慮しておく必要があるのだ。人材・資源・時間・リスクをマネジメントしながら強大な国を作り、敵を打倒するその様子は、まさに戦乱の世にあった国家の隆盛を目の当たりにしているかのようだ。