木村佳乃&藤木直人が挑んだ「対照的な朗読」 村上春樹作品を声で表現

木村佳乃&藤木直人が村上春樹作品の朗読に挑戦

会場でオーディブルを聴取。シーンに込めた想い

 トークのあとは、実際にAmazonオーディブルで配信されている朗読の一部を聴取。木村が朗読した『海辺のカフカ』からは主人公とカラスの会話シーンが流された。カラスの声が難しかったそうで「カラスの感情をどれくらい入れるのか、少年とのバランスが難しかった」と振り返った。

 続いて流されたのは、木村が大好きなキャラクターという「ナカタさん」が登場するシーン。「ナカタさんが登場するシーンを読む日は、ウキウキとしてました」と、キャラクターへの愛がトークの端々に溢れていた。

 藤木が朗読した『ねじまき鳥クロニクル』からは、16歳の少女が登場するシーン。このシーンのチョイスに「50のおじさんが16歳の少女を演じているところを出すなんて罰ゲームだ」と嘆きつつ、少女の声については「単純だけど、高い音かなと。ただ、突拍子もないキャラクターなので、ただの16歳の女の子じゃないというところを意識した」とのこと。続いて流れた「間宮中尉」の独白については、ノモンハン事件を経験した人物ということで、収録直前にウクライナ開戦もあり「因縁めいている」と感じたと言う。

 それぞれ工夫をし、想いを込めた朗読に、会場に来ていた人たちは、目を閉じたり、空を見つめたりと、それぞれの方法で想像を巡らせているようだった。

音で本を読む体験を

 村上春樹作品のオーディオブック化は、今後続々と登場する予定。『職業としての小説家』を小澤征悦、『螢・納屋を焼く・その他の短編』を松山ケンイチなど、豪華俳優陣が朗読をするという。

 オーディオブックの魅力について木村は「子どもの頃から耳から聞いて想像するのが楽しかった。オーディオブックもそういった楽しみがあると思う」と話すと、藤木は「本=活字だと思っていたが、周りに聞いたら結構聴く人がいて責任重大だと思った」と今回の朗読について振り返った。

 特に朗読に親しみがある木村からは「音楽も好きだけど、家事の時は物語がおすすめ」と話していた。

 今回のイベントに登場したAmazonオーディブルの『海辺のカフカ』『ねじまき鳥クロニクル』の朗読は、本を読むときのような静けさと想像力をかき立てる語り口調となっている。まずは、馴染みある俳優たちの朗読から、オーディオブック体験をしてみれば、より魅力に気づけるのではと感じた。

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