Amazonオーディブル、“聴き放題”移行後の変化 新潮社、講談社、U-NEXTなどと組みオリジナルコンテンツに尽力
Amazonオーディブルは9月2日、「Amazonオーディブル 記者発表会」を実施し、2022年の上半期を振り返り、オーディオブックのトレンドや新規コンテンツプロジェクトを発表した。
オーディオブック及び音声コンテンツ制作・配信サービスの『Amazonオーディブル(以下、オーディブル)』は2022年1月に月額制のプランへと移行。12 万以上の作品が月額1500円で聴き放題となり、オフライン、ストリーミングどちらでも聴くことができるようになった。
カントリーマネージャーの逢阪志麻氏は、聴き放題プラン変更以降のオーディブルについて、「会員数は25%増加、聴取時間は+135%となった。これまでビジネスマンを中心に利用されていたが、聴き放題に移行後、ビジネスウーマンなどの女性や学生、シニア層も増加。また、ビジネス書籍意外の小説やポッドキャストなどの多様なジャンルの作品も聴かれるようになっている。この成長の要因は第一線で活躍する作家、俳優、声優を起用したオリジナル作品。グローバルサービスであることを活かした英語、外国語コンテンツの豊富さが挙げられる」と順調に成長していることを明かした。
オーディブルで聴くことができるコンテンツ総数は約40万タイトル。そのうち聴き放題で聴取することができる日本語コンテンツは約2万5千タイトルにのぼり、日本語コンテンツのうちの95%は聴き放題へと対応しているとのことだ。
オーディブルビジネス・アフェア・シニアコンテンツリーダー キーリング 宮川もとみ氏は、今後のオーディブルを伸ばしていく施策として、発売直後の新刊への早急な対応とオリジナルコンテンツの拡充を挙げた。
そのなかでもより月額制の登録者数を増やす鍵となるのがオリジナルコンテンツだろう。この取り組みの1つとして、出版社と協力した「オーディオファースト」の新作を発表。「オーディオファースト」はオーディブルのために作家が書き下ろした作品を、先行配信後に書籍化するというプロジェクト。2021年に川上未映子による作品が第一作目として発表され、2022年10月より順次新作が発表されていくとのことだ。今年の作家のラインナップには相場英雄、汐見夏衛、西尾維新、村田沙耶香などが揃った。
また、今後は出版社以外ともオリジナル作品を制作していくことで新たな可能性を探るという。協業する企業として挙げられたのはPIVOT、メルカリ、U-NEXTなど業界やサービスのジャンルが異なる3社。まずはじめに、9月2日よりU-NEXTが手がけた国内外の小説のオーディオブック版をオーディブルで独占配信する。
月額制に変更してからわずか半年ほどでサービスの方向転換をはかり、ユーザー数、コンテンツともに成長したといえるオーディブル。音声コンテンツ市場を牽引する存在として、今後の施策にも注目していきたい。