『Meta Quest 2』に並び立つ『Pico 4』の登場や大手企業のVTuber参入。2022年下半期へ向けた興味深い動向を見る

2022年下半期へ向けたバーチャル界隈の動向

 ついに、『Meta Quest 2』に匹敵するVRヘッドセットが登場した。Pico社が手掛ける新型機種『Pico 4』だ。薄型化と軽量化を実現し、その上で4K相当の解像度を備えた、「軽量で高画質」を体現する期待の一台である。

 価格は128GBモデルが税込49,000円、256GBモデルが税込59,400円。値上げによって税込59,400円からになってしまった『Meta Quest 2』以上に安価であることも、見逃せない強みだ。性能と価格のみならず、各家電量販店などへも流通されるため、入手性も良好な部類だ。

 これまでVR市場を席巻してきた『Meta Quest 2』とは、紛れもない競合機種となる。アプリケーションのラインナップなど、まだ未知数な部分こそあれど、すでに『Meta Quest 2』に勝っている箇所もある点は大きい。『Pico 4』は10月7日、日本国内向けに販売が始まる予定だ。


 また、Pico社を買収したBytedande社が運営する『TikTok』では、「VTuber 配信応援キャンペーン」がスタートしている。『TikTok』におけるVTuberコミュニティを強化するべく、運営とともにライブ配信機能「TikTok LIVE」を盛り上げるVTuberを募集し、『OBS Studio』の配信権限付与や運営とのQAサポートを行うキャンペーンだ。

 『TikTok』がきっかけでバズるVTuberも増えてきた昨今、本丸が本腰を入れてVTuberを取り込もうと動き出した、と言えるだろう。バーチャルなタレントやクリエイターたちの戦場が、さらなる拡大を見せている。

 月末かつ半期末ということもあってか、「新たな立ち上げ」もいくつか見られた。スポーツ新聞の「サンケイスポーツ」は、配信プラットフォーム「ミクチャ」を運営する株式会社DONUTSとともに、競馬を盛り上げる公式アンバサダーVTuberのオーディション開催を発表した。

 対象は女性で、経験は不問。グランプリ受賞者は、VTuberデビューと同時に、様々な競馬メディアにて活動を展開する予定だ。競馬そのものが『ウマ娘』ブームによって若者や、それこそVTuberに人気を得ているなかで、さらなる若年層への競馬文化振興を図る。

 テレビ朝日はVTuberアイドルの育成開発を発表した。まずは『謎解き戦士!ガリベンガ―V』『お願い!ランキングpresentsそだてれび』『新世界 メタバースTV!!』の3番組から1名ずつデビューし、さらにオーディションにて2名の追加メンバーを募集し、5人組VTuberアイドルユニットの結成を目指す。

 以前からバーチャルに親和性の高い番組を展開しているテレビ朝日だが、ここにきて「番組の看板」も務めるVTuberの育成に踏み切ったのは興味深い。ウェザーロイド Airiから連なる広報タレント的な公式VTuberの系譜は、まだまだ続くと見てよいだろう。

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