Appleイベントと偽る“詐欺YouTube”を7万人が視聴　その目的とは？

　Appleは毎年恒例となっているローンチイベントを「Far Out」と題して9月7日（米国時間）に開催したが、その裏で大変な事件が勃発していたことが明らかになった。

　Appleの発表のタイミングにぶつけるようにして、YouTubeでフェイクのストリーミングが行われていたのだ。

　『iPhone 14』シリーズや『Apple Watch』といった最新情報を知りたい多くの消費者が、ティム・クックCEOの話に耳を傾けた。しかし、これは過去のインタビュー映像で、「Apple Crypto Event 2022」というロゴがあるが、2018年にCNNが収録した内容を修正したもの。

　実はAppleと偽った詐欺動画の配信だったのである。一時、約7万人が視聴していたという。そして、誘導された先は、怪しげな仮想通貨のサイトだった。

　悪意を持った何者かが、Appleのイベントを隠れ蓑にしようと仕掛けたものだろう。この動画は、YouTubeの利用規約に違反となり削除され、現在では視聴できなくなっている。

　Appleの発表をYouTubeで視聴する際は「イベント名まで調べてから動画を検索する」あるいは「Apple公式チャンネル内で動画を探す」といった対策を講じるべきかもしれない。

　AIを用いて偽動画を生成するディープフェイクの技術が進歩しており、今後は手口がさらに巧妙化してゆく可能性がある。このテクノロジーは、正しい使い方をすればエンターテインメントにも活用できて、世の中はさらに楽しくなる。一方で悪用すれば多くの人々を騙すこともできてしまうから厄介だ。

　写真や映像が発明された当時は、真実をうつすものと言われてきた。しかし今後は真実もフェイクもビジュアル化され、見分けるのが難しくなるのも時間の問題だ。

　人間は自らが作り出したテクノロジーに試されることになる。どことなく滑稽ながら、笑って済ませられない大変な時代がやってきたものである。

（source）
https://www.theverge.com/2022/9/7/23342120/apple-fake-youtube-live-stream-crypto-scam
https://www.popsci.com/technology/crypto-scam-youtube-fake-apple-event/
https://www.youtube.com/watch?v=ux6zXguiqxM