『A.C.E 3 THE FINAL』発売15周年　数々のロボットアニメが垣根を超えて戦うクロスオーバーアクションゲーム

アクションゲームとしての完成度はどうだったのか

　『A.C.E』シリーズ3作目となった本作では、これまでに不評だった一部の戦闘システムなどが改善されており、シリーズ中もっとも遊びやすくなったといっていいだろう。たとえば、前作に存在した、格闘攻撃を弾いて相手を無防備な状態にする「切り返し」というシステムは廃止された。これにより、以前よりも安心して格闘戦を行えるようになっている。

　しかし、3作目となる『Another Century's Episode3 THE FINAL』においては、拠点制圧の要素が加わり、短時間でより多くの敵を倒す必要があるシーンが増えたため、敵に接近しなければならない格闘武器はやはり不遇な立場にあった。「ニルヴァーシュ」「ブラックサレナ」など近接攻撃に特化した主役級の機体が多いのも歯がゆいところである。

　その一方、機動力が高く射撃武器も豊富な「バルキリー」などの機体では、戦場を縦横無尽に駆け巡りながら爽快感あふれる戦闘が展開できるなど、機体ごとの格差がやや目立つのは残念な点ではあった。

　このように、『Another Century's Episode3 THE FINAL』はいくつかの不満点こそあったものの、ロボットアニメのクロスオーバー作品かつアクションゲームという稀有なポジションの作品であることから、数多くのファンがいる。また、本作の後にリリースされた『R』や『Portable』といったシリーズ作品の評価が芳しくないことから、『A.C.E3』のような作品をもう一度遊びたいと願っているファンは多いことだろう。

　そんな『A.C.E 』シリーズだが、残念ながら2011年に発売された『Another Century's EpisodePortable』を最後に新作はリリースされていない。はたして、今後シリーズの新作が発売される可能性はあるのだろうか。シリーズファンとしては、当時をさらに上回るクオリティの新しい『A.C.E』を遊んでみたいと願って止まない。