『A.C.E 3 THE FINAL』発売15周年 数々のロボットアニメが垣根を超えて戦うクロスオーバーアクションゲーム
ロボットアクションゲーム『Another Century's Episode3 THE FINAL』は、9月6日に発売15周年を迎える。『Another Century’s Episode』シリーズ(以下、A.C.E)は、いわば『スーパーロボット大戦』をアクションゲームにしたかのような、ロボットアニメファンにとっては夢のような作品だ。
今回は、そんなシリーズの3作目として人気を博した『Another Century's Episode3 THE FINAL』について、15周年を機にご紹介する。
バンプレストとフロム・ソフトウェアのコラボレーションタイトル
『Another Century's Episode3 THE FINAL』は、2007 年に発売されたPlay Station 2 向けのロボットアクションゲームだ。フロム・ソフトウェアが制作し、バンプレスト(現在シリーズ版権はバンダイナムコゲームスに移行)から発売された。タイトルに「FINAL」とあるものの、2010年に後継作品となる『AnotherCentury's Episode:R』が発売されたため、本作はシリーズ最後の作品ではなくなってしまった。
『A.C.E』シリーズは、数々のロボットアニメが作品の垣根を越えて共闘し、ぶつかり合うクロスオーバー作品である。スーパーロボット大戦を手掛ける『バンプレスト』ならではのタイトルといえよう。
そんなクロスオーバー作品に、『アーマードコア』シリーズを手掛けたフロム・ソフトウェアが培ってきたロボットアクションゲームのノウハウが融合することで、まさに「アクションゲームになったスーパーロボット大戦」とでもいうべき作品に仕上がっている。また、『A.C.E』シリーズでは基本的にリアルロボット(ガンダムなどに代表される10~20m 程度のロボット)が登場し、そのサイズ比も公式設定に忠実であることが特徴だ。
しかしながら、『Another Century'sEpisode3 THE FINAL』ではいわゆるスーパーロボットに分類される「真ゲッター(全長55m)」が登場したことでも話題になった。場合によっては10倍以上の体格差があるロボットと戦うことも可能だ。
『スーパーロボット大戦』に引けを取らないクロスオーバー要素
本作のクロスオーバー作品としての特色は、『スーパーロボット大戦』に勝るとも劣らない。まず、参戦作品の世界観が見事にかみ合った設定が見事だ。
本作では、『交響詩篇エウレカセブン』『機動新世紀ガンダムX』『OVERMAN キングゲイナー』『真ゲッターロボ 世界最後の日』の4作品の舞台として「平行世界の地球」が登場する。この平行世界の地球では、「コーラリアン(エウレカセブン)がゲッター線を浴びたことでインベーダー化(真ゲッター)した」など、そもそも共存することが難しいであろう各作品の設定をきれいにつなぎ合わせ、一つの世界観を確立している。
また、ロボットアニメファンにとって嬉しいのが、「コンビネーションアタック」の存在である。コンビネーションアタックは、同作品で繋がりが深かったパイロット同士のものだけでなく、作品の垣根を超えた連携攻撃も用意されている。たとえば、「アムロ(ガンダム)」「ホランド(エウレカセブン)」「フォッカー(マクロス)」といった隊長クラス3 人によるコンビネーションアタックなどは見物だ。その他にも、「ゲイナー(キングゲイナー)」「レントン(エウレカセブン)」「ガロード(ガンダム X)」という各作品の主人公による連携攻撃も用意されており、ロボットアニメファンにとってはまさに夢の競演が楽しめる。
しかし、その一方で、シナリオにまったく関与しない参戦作品が多かったのは残念な点ではある。特に、本作が初参戦であった『機動戦士ガンダムSEED ∀』や『 ガンダム』は、できればストーリーに組み込んであげてほしかったというのが本音だ。また、シナリオ自体のボリューム不足もやや気になる点ではあった。