手の皮が剥けるまで遊び、試行錯誤の大切さを学んだ『カスタムロボ』 23年経っても色褪せない3D対戦アクションの傑作を振り返る

23年経っても色褪せない傑作『カスタムロボ』

前作から1年未満で爆誕 最高傑作と名高い『カスタムロボV2』

 2000年11月。同じくNINTENDO64でリリースされた『V2』は、すでに完成の域にあった『カスタムロボ』の良さを損なうことなく、「新規シナリオ収録」「新パーツ&新ロボット追加」などの要素に絞って大幅なボリュームアップが図られた。

 一人プレイで挑むシナリオモードは王道ストーリーの「旅立ち編」に加え、新たに「激闘編」が登場。悪の組織を倒してハッピーエンド……というお約束展開を迎えたプレイヤーに対し、「本当の戦いはこれからだ!」と言わんばかりに、より困難なお題(バトル)が次々に与えられる。隠し要素の全開放を目指すなら激闘編の突破は必須。前作を上回る密度を誇るシナリオモードのおかげで、シングルプレイのやりこみ度が格段に増したと言えるだろう。

 当然、同シリーズの根幹を為すカスタマイズ要素も目に見えて進化。具体的には各部位の新規パーツをはじめ、前作には無かった新型ロボットが追加されている。このうち、今でも印象深いのが「ストライクバニッシャー」型に属する「ジャベリン」。同型はダッシュ中の挙動がステルス状態という性能で、「ステルスダッシュで相手に接近」→「近距離特化のガンで攻撃」→「すぐさまステルスダッシュで撤退」というヒットアンドアウェイ戦法を容易に行うことができた。

 無論、そんな単純なゴリ押しでエンディングにたどり着けるほど『V2』は甘くなく、数多のプレイヤーに恐怖を植え付けた大型ロボット「ジェイムスン」の前で何度も涙をのむことに。人生はそんなに甘くなかった……と言えば大げさだが、”シチュエーションに応じてロボットやパーツを適切に選ぶ”という同シリーズのコンセプト、そして自分なりに色々と試しながら攻略法を見つけるゲームならではの楽しさは、『カスタムロボ』と『V2』から学んだように思う。

 NINTENDO64で産声を上げ、ゲームキューブやニンテンドーDSでもシリーズタイトルが作られた「カスタムロボ」。未経験者ならなおのこと、23年経っても見劣りしない3D対戦アクションをこの機会にぜひ体験してみてはいかがだろうか。

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