「お仕事ドラマ」は“大逆転劇”がトレンド? ブラック企業の“幸せ迷子のズタボロ女子”が立ち向かう姿に共感
様々な職種や企業に着目し、登場人物の働く姿を切り取る「お仕事ドラマ」は、これまでも多様な仕事に纏わるストーリーが描かれ、社会に出て働く私たちに寄り添ってきてくれた。7月にスタートした新ドラマ『ユニコーンに乗って』(TBS系)では、その名の通り、ユニコーン企業であるアプリ会社で巻き起こる登場人物たちの奮闘が描かれ、女性起業家にフォーカスした現代を象徴した作品となっている。
そんな数ある「お仕事ドラマ」のなかでも、主人公が逆境に立ち向かう姿が描かれる“大逆転劇”を描くドラマは、日本版である『六本木クラス』(テレビ朝日系)のもととなった韓国ドラマ『梨泰院クラス』がヒットしたように、人々の共感を得るものとなっている。同じくABEMAの『ANIMALS‐アニマルズ‐』もブラック企業に勤める“幸せ迷子のズタボロ女子”の大逆転劇がテーマの作品だ。
『ANIMALS‐アニマルズ‐』の主人公“幸せ迷子のズタボロ女子”こと鹿森海(鈴木愛理)は、とにかくよく走る。
テレビ番組制作会社のADとしてブラックな環境下で日々の仕事に忙殺される日々。完徹3日の末、生放送の本番中に思わず居眠りをしてしまったことで、ようやくある意味強制的に立ち止まる機会を得る。“このままじゃ嫌だ、変わりたい”という自身の本音や危機感に向き合い、元いた環境から抜け出そうと決意する。
これまでの自分とは縁遠かった対極の世界、最新コスメベンチャー企業「ANIMAL BEAUTY」の門を叩いた瞬間から海の“なりたい自分になる”ための変身が、最高の自分に生まれ変わろうとする大逆転ストーリーが始まった。
生意気なツンデレ年下カメラマン・長嶺風緒(本田響矢)のナイスアシストで、お洒落なコーディネートに身を包みばっちりメイクをした海は、一気に都会の洗練された働く女性に様変わりする。ファッションやメイクの力で着飾りどことなく自信もついたかに見えた海だったが、面接で改めて自分がやりたいことを“自分の言葉で”話すように促されるも、何も出てこず、そんな自分にショックを受ける。これまでの社会人人生で染み付いてしまった“社畜根性”からはなかなか脱却できない。誰しも“今まで一体自分は何をやってきたのだろう……”と自身の不甲斐なさに目を背けてしまいたくなる日もあるし、何だか自分には何もできないような気がして無力感に打ちひしがれることだってあるだろう。
ただ風緒が言う通り、まず「変わりたい」と思うことこそが変化への大きな第一歩であり、その自身の本音に向き合うことでしか“変化”はもたらされないのだ。