クアルコム、Appleの「M2チップ」へ勝利宣言か その根拠とは?

クアルコム、「 M2チップ」へ勝利宣言か

 Appleは、このほどMacBookなどに搭載する最新のチップ「Apple M2」を発表した。2020年に登場した初代「Apple M1」は性能の高さで周囲の度肝を抜いた。さらにM2チップでは、M1よりもCPUパフォーマンスが最大18%、GPUパフォーマンスが最大35%向上している。

 しかし、競合するQualcommのCEOであるCristiano Amon氏は「Apple M2」を上回り、市場で最高のチップを開発可能だと豪語してみせた。過去にAppleシリコンに取り組み、現在はQualcommで働くチップアーキテクト・チームのお陰だという。

 AppleのAシリーズチップにエンジニアとして携わったGerard Williams氏と2人のApple幹部が2019年に退社し、Nuviaという新会社を設立した。当時、IntelやAMDとの競争を計画していると述べていた。

 しかし、Apple側はその言葉を額面通りには受け取らずに、事実上はAppleの技術だったものを買い戻させることがNuviaの本当の意図だと考えていたという。

 ところが2022年に入り、QualcommがNuviaを14億ドル(約1800億円)で買収。これにより、QualcommがAppleのM1チップ開発の背後にある知見を手にしたのである。

 QualcommのCEOであるCristiano Amon氏は「CPUのパフォーマンスでリードすることを目指しています」と強気で、Qualcomm同様に、ARMで作動するプログラムを開発したAppleに感謝の意を表した。

 過去にはQualcommのチップセット価格が高額だとして、Appleは独自設計を行い内製化に成功していた。AppleとQualcommは、取引がこじれて一時は訴訟合戦に発展したが、すでに全面和解が成立している。

 Qualcommは、Appleのチップを上回ることで、再びAppleから受注することを目指している。同じくIntelのCEO Pat Gelsingerも、Appleと再び事業をすることを視野に入れ、開発に余念がない。

 Appleが天下を取ったかに見えたシステムオンチップ(SoC)だが、再び戦国時代に突入する可能性も出てきた。

(source)
https://9to5mac.com/2022/06/08/qualcomm-will-beat-m2/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ニュース」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる