「うたのおねえさん」とのギャップが魅力? 鈴鹿詩子の持つ“にじさんじ”らしい一面

鈴鹿詩子の持つ“にじさんじ”らしさ

 にじさんじファンだけではなく彼女の活動初期を知っている方ならば、彼女がボーイズラブを愛する“腐女子”であること、それが遠因になってエロいネタにとても敏感で幅広い知識を生かしたトーク内容や会話ネタで場を圧倒していくこと、そして00年代後半から続くネットカルチャーから影響を受けた生粋のオタクであることは、すでにご存知だと思う。

 これに加えていつも自宅で晩酌を嗜み、友人も少なくひとりぼっちなことが多いなど、「うたのおねえさん」というある種倫理的・道徳的にも見本となれるようでありながら、その裏では理想とかけ離れた性格・趣味があるという大きなギャップでリスナーを驚かせることになった。

 2018年12月にアップされた「鈴鹿詩子、オーディション応募音声初公開!!すべてはここから始まった…!」はわずか4分ほどの動画であるが、彼女がこれまで見てきた風景、育ってきた環境について、自身の口でしっかりと語っている。

鈴鹿詩子、オーディション応募音声初公開!!すべてはここから始まった…!

 デビュー当初からブレーキを知らずに様々な下ネタや禁止ワードを平然と口にし、一般の方ならば想像しないであろうエロい方向性の例え話をしていく、そもそも配信のネタになっているのが性的なコンテンツ・話題が中心になっているなど、「女性バーチャルタレントが触れていいエロ話」の領域をこれでもかと広がっていったのは、彼女の活動が遠因となっているのは間違いないだろう。

 2018年4月17日にBLゲーム『カズマと久我山の奇妙な廃校探検』を実況プレイしていたところ、にじさんじの所属タレントとして初めて「配信BAN」(註:ライブ配信が配信サイトのルールやポリシー違反として不適切なコンテンツと判断、即座に中止されること)をされてしまった。この時はYouTube側の手順もいまとは違っており、いきなり3ヵ月間もYouTube生配信ができなくなるという状態となってしまったのだ。

 その後、YouTubeに連絡し、無事に配信権限を取りもどすに至ったが、当時のVTuberでも前例がほとんどない出来事ということもあり、大きな衝撃をファンに与えたのだ。

 その後の配信でも、内容によっては収益化設定を剥がされてしまう、配信時に年齢制限が入ってしまうなど、過度なポルノ表現や露骨な描写を取り締まるYouTubeのポリシーやルールに合わせつつ、彼女の配信はすこしずつ変化していくことになる。

 エッチな要素が多少入ったゲームをプレイ配信するに始まり、視聴者に教えてもらったエッチな漫画あるいは自身が読んだエッチな漫画の布教配信、BLや百合界隈のディープな用語解説、実際に販売しているAVを実際に見ながら生解説していく配信など、その多彩さには目を見張る。

 「エロ系なネタで配信しようと思っても、詩子さんが先にこなしている」なんて話もあがることもあるが、そう言い切っても構わないほどに彼女の配信はセンシティブかつ挑戦的な内容が揃っている。

VRでえっっなビデオ見る配信【鈴鹿詩子/にじさんじ】

 結果、彼女の配信では下ネタを話してもかなり寛容なムードとなり、節度とマナーを守ったうえでのエロい発言はオッケー。何より「性的な話題・悩み」というシリアスな話しにも詩子本人・ファンの多くがしっかりと受け取っていけるような、特異かつオリジナリティあるファンダムと配信を生み出すことになったのだ。

 このほかにも、オタクカルチャーに長居しているからこそ培われてきたオリジナリティある審美眼は、作品・人物読解力の高さとなってゲーム配信中でサラっと見せることもあれば、ひと際に変わった配信ネタの多さにもうかがい知れるところだろう。

 もちろん彼女が下ネタを口にするときは、コミカルなムードや笑いのネタになることを見越しているのは言うまでもない。なにより、彼女がそういったディープかつアングラなフィールドを公に配信で示したことにより、より活動しやすく、自分自身の趣味性を発揮できるようになったバーチャルタレントは後続に大きな影響を与えたともいえる。

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