NFTアートが月で展示される? 大掛かりなその方法とは
バルーンアートのウサギをステンレススチールで彫刻化した「ラビット」や「バルーン・アニマルズ」シリーズで知られるアメリカ人現代アーティストの旗手、ジェフ・クーンズが、新作を月で展示することを発表した。作品は2022年7月に月面に着陸する見込みで、以降そのまま月で展示される。
クーンズの新たな彫刻作品は、アメリカの民間企業であるIntuitive Machinesが開発した月着陸船、Nova Cに搭載され、フロリダのケネディ宇宙センターから打ち上げられる。地球と月の距離、およそ240,000マイルを3日かけて移動し、"嵐の大洋"とよばれる地球から見た月の表側に着陸する予定だ。
月面着陸と同時に、作品は透明な熱コーティングされた立方体ケースに恒久的に収容されることになっている。作品の詳細は数週間以内に専用のウェブサイトにて公開予定だが、実際の月面飛行に乗組予定の船員が1名であること、また宇宙船NovaCの耐荷重が100kgであること、作品を運搬するスペースが2×3メートルであることを考慮すると、作品の規模が極端に大がかりなものになる可能性は低いだろう。
月面プロジェクトに加えて、クーンズは「プロジェクトジェフクーンズ:ムーンフェイズ」と名付けられたクーンズ初となるNFT作品もリリースする予定だ。彼は昨年ミュンヘンでNFTゲームに参加する意向を発表していたが、詳細はそれ以来ヴェールに包まれていたままだった。クーンズ初となるNFTアートは、彼のギャラリーであるPaceのNFTプラットフォーム、Pace Versoから発表されることになっているが、どうやらそれぞれの作品は実物の彫刻とリンクしているらしい。また、今回のNFTプロジェクトの収益の一部は、国境なき医師団に寄付される、と公式リリースは発表している。
代表作「ラビット」が、2019年に9,110万ドルで落札されたジェフ・クーンズ。存命アーティストとして史上最高値をマークした偉大なアーティストが歩み出す宇宙とデジタルへの記念すべき第一歩に、今後も注目だ。
(Source)
https://www.theartnewspaper.com/2022/03/29/jeff-koons-to-send-his-sculptures-to-the-moon-pace-verso-glimcher-space-lunar-art
https://youtu.be/5ROOKGKcn10