『AKIRA』金田バイクを製作する日本人が海外で大人気 飽和状態のYouTubeも企画次第でまだまだ可能性アリ

 大友克洋・不朽の名作『AKIRA』の“金田バイク”を製作する日本人YouTuberが話題を呼んでいる。

 金田バイクとは、『AKIRA』の主人公・金田正太郎が運転する未来のマシン。真っ赤な流線型のボディのほか、セラミックツーローターの両輪駆動、コンピューター制御のアンチロックブレーキ、12,000回転時に200馬力といった特長を持ち、物語の舞台である近未来都市・ネオ東京を疾走するその姿に、憧れを抱くファンは多い。

ホイールカバーにLEDをぶち込む!金田のバイク改製作プロジェクト

 そんな金田バイクを再現するべく奮闘しているのが、バイクDIY動画などを主に投稿するYouTubeチャンネル「てるてるボーイズ」を運営する、自称“変なバイク作る系YouTuber”の綾人さんだ。

 プロジェクトは、2021年5月28日公開の動画から始動。「ずっと夢に見ていた」という金田バイクを具現化するべく、綾人さんはベース車輌としてヤマハのビッグスクーター「マジェスティ 250」を用意。2次元から3次元のバイクを完成させるために様々な角度の画像を収集し、「外装を剥いだ内側も再現したい」と意気込んでいた。

AKIRA 金田バイク製作プロジェクト1 仮製作編 問題は山積みだ

 同年6月3日の動画から作業に着手。外装をすべて取り外すところからスタートし、その後、コツコツとカスタムを続けていった。プロジェクト開始の報告からおよそ9か月が経過した2022年3月14日公開の動画では、既に大部分が仕上がっていた。現時点ではまだ真っ赤に塗装されておらず白いボディカラーながら、近未来的なフォルムは金田バイクそのもの。しかも、LED入りのシリコンチューブをホイールに巻き付けて青く光らせるなど、細部にわたってこだわりを感じさせる仕様になっていた。

 こうした金田バイク製作プロジェクトの動画におけるコメント欄には、日本のみならず、様々な国の視聴者からメッセージも多数。また、この綾人さんによる取り組みが海外のニュースサイトで紹介されるなど、世界中で愛される『AKIRA』なだけに、国際的な注目度の高さを誇っているのだ。

 「てるてるボーイズ」のチャンネル登録者数は4月2日時点で4.45万人。知る人ぞ知るチャンネルというフォロワーの数だが、現在、プラットフォームとして成熟期を迎え、新規参入者が激増したことでパイの奪い合いとなり、成功の確率が以前よりぐっと低くなったと言われるYouTubeにおいても、知恵と工夫と根気次第で、世界的なバズを起こすことができるという好例に、この金田バイクプロジェクトはなりそうだ。

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