ビジネスとクリエイティブを拡張する Adobe Expressの可能性
2人運営の小規模飲食店がSNSで拓いた客層 清澄白河の海外料理店「MEDIUM」のInstagram活用に迫る(前編)
ーーお店のInstagramはどなたが更新しているのでしょうか。
春原:私です。連動投稿でFacebookにも反映されるようにしています。
藤原:もともとは僕がやっていたんですが、写真ベースのSNSはあまり得意じゃなくて困ってたんです。それに少人数の飲食店はみんなそうだと思いますが、とにかく時間が足りない。あすちゃんにも忙しいなかで時間を見つけてやってもらっています。
春原:バイトとして入ってすぐに、Instagramの更新を任されました。もともと個人的にも使っていたのでInstagramのトーンはわかったし、当時からほぼ毎日出勤していたので、「じゃあ私が出勤したときは必ず更新します」と言って。それからは毎日オープン前に更新して、できるときには1日2回投稿したり、ストーリー機能も見る人が多いので、アップしたりしています。
ーー撮影なども春原さんがなさっているんですか?
春原:はい。自分なりにうまく「MEDIUM」を写真で説明するような形で、料理やお酒が映えるように撮影しています。細かいメニューは実際に写真で見せたほうが伝わるし、「こんなの扱ってるんだ!」と思ってもらえるように意識して投稿しています。
ーーもともとお客さんだったことも強みになりそうですね。
春原:そうですね! 私はこのお店が好きだし、ファンを増やしたいと思うので。「MEDIUM」の名前の由来が「ちょうどいい」という意味なんですが、ホントその名前にふさわしくて、自分が休みの日でも、飲みに来たくなるんです。いろんな種類のお酒やカクテルを扱っていて、でもそんなにカタいお店じゃない。美味しいお酒が飲めて、雰囲気も柔らかい。そういう入りやすさが「魅力だな」と自身思っていますし、それがSNSで広まったら嬉しいですよね。
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ーー実際に投稿を始めてみて、反響はありましたか?
春原:まず明確にフォロワーと「いいね」が増えました。正確な数は覚えていないですが、大幅に。毎日更新するストーリーにもリアクションをもらえたりして、「届いているんだな」という実感があります。
藤原:最近はSNSを見て初めて来た人がリピーターになってくれることも増えてきて、SNSに関しては完全にあすちゃんが状況を変えてくれたところがあります。僕は正直、「SNSで盛り上がるお店!」みたいに扱われるのは苦手で、取り組もうと思ってもうまく継続できなかったんだけれど、SNSで大事なのは絶対に「継続すること」というのもわかるから、あすちゃんが取り組んでくれてすごく助かりました。実際にお客さんから「Instagramで見たooが食べたいです」とか言われたら舞い上がっちゃうぐらい嬉しいですし。継続していることが積み重なって、いい影響を生んでいると思います。あとコロナ禍でテイクアウトを始めたんですが、そのメニューをInstagramにアップしたらしっかり反応があって、それも嬉しかったですね。
ーー来店の最初のきっかけを作ってくれる、という面もありそうです。
藤原:お店の中に入ってくれたら僕も楽しく接客したいけど、来てくれなければ会えないわけなので。これまではある種「身内の知ってるイイお店」みたいな規模感だったのが、SNSを継続することで、もう一つ外周に手を伸ばせるようになった、というイメージ。やっぱり継続することは大事なんだなと思います。
ーー逆に、SNS運営の中で課題はありますか?
春原:店長も言っていましたが、やっぱり時間が足りないですよね。お客さんがいる時間では取り組めないので、短時間で作らなければいけない。その中で、ただの真っ白とか茶色の背景じゃなくて、後ろにちょっとお店の雰囲気が伝わるモノを置いてみたりとか試行錯誤も必要で。限られた時間の中で飽きられないような、いろんなバリエーションの写真を撮影しなければいけないので、難しいです。
ーー新しいサービスのAdobe Expressはたくさんのテンプレートを活用できるのに加えて、フォントや写真の配置についても多才なバリエーションを提案してくれます。使ってみていかがでしたか?
春原:驚きました。たくさんのテンプレートがあって、簡単に使えると感じました。
藤原:「コーヒー豆」とかって検索すると、豆だけでもたくさんのアイコンやイラストが出てくるのはすごいですね。こういうアイコンとかもいろいろ調べて探して……ってやるのが大変だったから、こういうちょっとした素材が簡単に調べられるのはとてもいいです。
春原:文字を半円状にしたりとかって自分ではなかなか考えつかないから、テンプレートで探せるのは便利ですね。
「MEDIUM」のような小規模飲食店では、多数のスタッフが同時に勤務することはむしろデメリットとして働いてしまう。かといってSNSや広報に別途人員を割くことも難しいということがわかった。後半ではこうした状況におけるCreative Cloud Expressの具体的な活用と、その"楽しさ"について伺っていく。