芸術を愛し、笑いの神に愛される。にじさんじ・鷹宮リオンの抜きんでた行動力とアイディア
現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一社であるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。
メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ1年ほどはエンターテイメントなフィールドで、アーティストとして陽の目を浴びる者も増加している。
今回記すのは、3人組ユニット「▽▲TRiNITY▲▽」のリーダーでもあり、強い好奇心と高い行動力をコアにして様々なトラブルやポンコツなシーンを生み続ける配信者、鷹宮リオンについて記していきたい。
「にじさんじSEEDs」は“可能性を秘めたチャレンジ枠”として2018年6月3日よりスタートし、1期生として13名が活動。鷹宮リオンは同年8月9日に7名が発表されたにじさんじSEEDs2期生第1弾の1人として、8月15日にYouTubeで初配信し、デビューを果たした。
好んでプレイするゲーム作品は『League of Legends』『原神』『ゼルダの伝説シリーズ』であり、そのほかにもこれまで多くの作品をプレイしてきた。彼女の自己評価に則れば「見ていてイライラする」ようなプレイを連発するゲーム配信スタイルで、ワタワタしつつプレイしている彼女に向け、リスナーらはコメントで応援やヒントを投げかけていく。
早合点でアクションを起こしてしまい、配信内外で大小さまざまなトラブルや事故に巻き込まれてしまうこともしばしば。これに加えて、仲の良い葉加瀬冬雪からは「我が強い」と言われ、「間違っていることは認めるけども、納得させてほしいんだよね、あたしのことを。納得するまで相手に聞いちゃうの」と鷹宮自身も同意するほど。
ハっと思い付いたアイディアから悪だくみをするなどズル賢しい一面を見せつつ、最後には失敗して「なぁんじぇ~?」「だってさぁ!」と負け惜しみを言っていき、途中でリスナーやファンに八つ当たりをしてしまう。そんな流れはもはやファンにとって見慣れた光景。こういうワンシーンを生み出していくのは、ブレーキを踏むことなく突っ走る行動力が彼女のコアになっているからこそだろう。
そのパワフルかつ縦横無尽な行動力を活かし、デビューしてすぐからさまざまな企画配信などで存在感を発揮。元SEEDs組のメンバーらを中心にしてにじさんじ内の同僚らと数多くのコラボ配信を行い、でびリオン、RRR、Lilly Crown、月下の桜、にじさんじGALS、▽▲TRiNITY▲▽(旧名:金銀銅ポン)と多数のコラボユニットが誕生。どのユニットでも中心的な役割を担っている。
「アタシってバカだからさ……」と自虐することもあるが、場を引っ掻き回し、数多くの配信を届けてきた。しかも彼女の場合は狙ったボケよりも、笑いの神が微笑んでくれるかのような天然・ポンコツさを見せてくれることもまた多い。参考までに、いくつか紹介してみよう。
・柔らかい口調で不思議なワードを使うことが多く、それによりさまざまな名言(迷言)を数多く残す。
・『Minecraft』では自分が大好きなテレビドラマ『半沢直樹』をオマージュした銀行を建て始め、多くの同僚らを誘って建設を開始。途中で建設配信そのものがストップしてしまうが、ひとつの「ドラマ作品」「物語」としてちゃんと締めるまでに至る。
・にじさんじライバーらに運営から支給されている3D機材「にじ3D」を自宅内でなくしてしまい、長らく自宅から3D配信をすることができなかった。2020年末、12時間以上に渡る大掃除配信を行った際に機材を発見し、その後にじ3Dによる配信ができるように。
公式が制作した切り抜き動画などを含めても、彼女は多くの爪痕を残し、驚きの場面をリスナーに見せてきた。そのすべてが彼女の計算通り……とはお世辞にも言えないが、彼女のなかにあるパワフルかつお茶目な一面を知れるだろう。