放映権料は世界最大規模 スーパーボウルのCMを“クルマ”の観点から紐解いてみる
BMW「Zeus & Hera」
BMWもEVを全面に出した構成。全知全能の神ゼウスをアーノルド・シュワルツェネッガー、その妻・ヘラをサルマ・ハエックが演じている。
年老いたゼウスはヘラと共に引退を宣言。カリフォルニア州パームスプリングスで余生を過ごしていたが、ゼウスはその雷撃能力を日常生活のつまらないことに使っており、すっかり老け込んでしまった。しかしそこにセレブ生活を堪能していたヘラが、BMWのEV仕様SUV、iXに乗ってくると、ゼウスは生き生きと復活。夫婦でエディー・グラントのエレクトリック・アベニューを歌いながら楽しくドライブへと出かけた……。
キャスティングで驚かせるのもスーパーボウルCMの見所、という一例だ。
KIA「Robo Dog」
韓国車メーカーのKIAもEVがメイン。お店で売られていたロボドッグは、夫婦と仲よさげに散歩している犬を見て一抹の寂しさがよぎる。しかし眼前で充電を終えたKIA EV6に乗り込む男性を見つけ、自分の飼い主に相応しいと思ったロボドッグは、店を飛び出してEV6を追いかける。遂に追いついたその時、ロボドッグは電池切れでスリープ。しかしEV6のオーナーは愛車のバッテリーでロボドッグを充電。復活したロボドッグは、EV6の助手席に収まっていた……という電気仕掛けの絵本のようなお話。
日本ではあまり馴染みのないKIAだが、アメリカではよく目にする中堅クラスのメーカー。EV6はデザイン的にスタイリッシュで、この動画でも確認できるが充電口のフタが電動で開閉するなど、そのギミック面でもそそられる1台だ。
POLESTAR「No Compromises」
スーパーボウルのCMは、新興メーカーがその名を売る絶好のチャンスでもある。ポールスターはボルボのハイパフォーマンス部門を経て、現在はボルボ傘下でEV&ハイブリッドカーを市販しているメーカー。ポールスター2は2019年発表の同社初のフルEVだ。ボルボ傘下とはいえ、ブランドとしてはあくまで新しいメーカーという立ち位置なので、テスラと比較されることが多いポールスター。CMの最後に登場する“NO No.2”というコピーが、彼らからの強いメッセージだ。