穏やかな物腰と強烈な存在感が同居する、シェリン・バーガンディの眼差し

にじさんじ、シェリン・バーガンディの足跡

 配信中の彼は、穏やかかつソフトな物腰と口調で話を進めていくことが多い。対戦ゲームであり常に相手からの攻撃にそなえなくてはいけない『マリオカート8 DX』をプレイしていても、イラ立つ姿を見せず、むしろ淡々と進めてしまう。もちろんそこから一気に音割れするほどの大声でリアクションを取ることもあれば、推理ゲームでは持ち前の頭脳で状況を整理してゲームをクリア、そうかと思えば唐突なアクシデントやフリに対応できず天然ボケをみせたりと、マイペースな姿をさまざまに見せてくれる。

 そんな彼のゲーム配信はというと、やりこみ要素を見つけるととことんプレイしていくスタイルが目につく。『ARK: Survival Evolved』『Minecraft』の実況では「やりこみスタイル」が顕著に出ており、ゲーム内のアイテム・レベル上げなどにハマると配信をするしないに関わらず、何時間に渡ってプレイしつづけ、ほかのライバーらの配信中に現れることも珍しくない。

 時間を大きく割いてプレイしていくので、彼の手元には貴重なアイテムが膨大な量集まり、制作した建築物/トラップなども増えていく。ほかのライバーらが彼にアイテムを貰いに相談しにいくことも珍しくない。

 彼がここ1年でやりこんだゲームといえば『マリオカート8 DX』であろう。2020年に開催されたにじさんじのカジュアル大会『第3回マリカにじさんじ杯』に出場し、練習を積んでの挑戦にも関わらず惜敗。「次回、僕が勝ったら皆びっくりする」と捉え、一念発起して約1年に渡ってやりこむことに。

 『ヤシロ&ササキのレバガチャダイパン』で共演している社築とリアルイベントで共演した際にも、「シェリンはずっと(控室で)タイムアタックしてましたね」と言われるほどのやりこみっぷり。配信でも何度となくその姿とプレイングを見せており、最近催された『第4回マリカにじさんじ杯』では優勝候補の一角になるほど腕前をあげて出場することとなった。

 「これまでどんな大会でも決勝に行ったことがない」と自分に発破をかけ、多くのリスナーが期待する中での緊張感はやはり大きかったようで、結果は準決勝敗退。昨年に続く敗退となったが、来年にはさらなる好成績が期待できるだろう。

 

 一度ハマると……という気性の矛先はゲームだけに留まらない。パーツを買い集めて自作PCを制作するほどのPCマニアで、夜見れなからのオーダーでオリジナルPCを組み上げたり、多くのライバーにパソコン操作などのアドバイスを送ることも。また家電に目がなく、コラボ配信中に家電トークで盛り上がることもあれば、本間ひまわりやアルス・アルマルが彼のオススメした家電を購入するなど、その信頼感がうかがい知れる。パソコンや家電好き、それでいて凝り性というと、モロに機械/ガジェット好きな男性像が見えてくる。

 そんな彼は、2022年1月22日にライブイベント『FANTASIA』に出演する。歌配信・カラオケ配信からは縁遠い彼だが、ツイッター上では歌練習と題して2分ほどの音源を不定期に投稿している。、これまでにアップした歌ってみた動画は「フィクサー」「ジャンキーナイトタウンオーケストラ」の2曲のみ。2020年10月末に発売されたカバーソングアルバム『Prismatic Colors』の特典CDでは剣持刀也、卯月コウとともに「女々しくて」をカバーしているが、「彼が歌う瞬間」はとても稀だ。

 シチュエーション劇やナレーションに登用されるなど、深く温かみある声から張った陽気な声までいくつもの声を使い分ける彼だからこそ、「ライブで何を歌うのか?」に注目が集まるところ。どれほどのインパクトで爪痕を残してくれるのか、楽しみにして待っておこう。

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