目指すのは“砕けたクラシック奏者” 萩原可奈が語る「音楽×ライブ配信者としての可能性」

萩原可奈が語る「音楽×ライブ配信者としての可能性」

 ライブコミュニケーションアプリ「Pococha(ポコチャ)」で行われた「あなたの音楽を発信しよう♪RealSound Techインタビュー出演権!」で、見事インタビュー権を獲得した「萩原可奈」。フルート奏者として活動する彼女は、小学校1年生の時に「フルーティストになる!」と宣言。そこから一度も揺るがず、夢を叶えたという。

 そんな萩原だが、フルーティストになるまでには異例な道のりを歩んできた。『リアルサウンド テック』では、音楽に興味を持ったきっかけや、これまでのキャリア。そして、ライブ配信にかける熱い想いを聞いた。

フルーティストになるまでの異例な道のり

萩原可奈
萩原可奈

--まずは、音楽活動を始めたきっかけを教えてください。

萩原可奈(以下、萩原):小学校1年生の時に、3個上の姉がフルートを習い始めたんです。その影響で、フルートを触ったこともない時から、「私もフルーティストになる!」と言っていて……(笑)。その時から、一度もほかの夢に寄り道をしたこともなく、ずっと変わらずここまで来ました。

--実際に、フルートを演奏するようになったのは何歳の時ですか?

萩原:小学校4年生です。吹奏楽部に入部したことがきっかけでした。でもその時は、音大に進まないと、専門的なことを学べないとも知らなかったですし、地元に先生もいなかったんです。だから両親に、教則本やCDをおねだりして、自分で研究していました。

--それは、すごい……。

萩原:高校2年生の進路選択の時に「文系か? 理系か?」の岐路に立って、「音楽ってどっち?」と両親に聞いたんです。そしたら、驚かれてしまい……。きっと、それまでは「おもちゃ屋さんになる!」みたいな感覚で言っていると思ってたんでしょうね。それからは、真剣にキャリアとして考えるようになりました。演奏家になる人は、小さいころから将来を見据えている方が多いので、結構異例なタイプだったと思います。

--そのなかで、ライブ配信を始めることになったきっかけというのは。

萩原:収入源となっていたリアルでのライブ活動が、新型コロナウイルスの影響で、すべてキャンセルになってしまったんです。丸1カ月仕事がない月もありましたし、レッスンもオンラインになったので、人と接する機会さえなくなってしまい……。そこで、知人が「Pococha」で配信を始めたと聞き、やってみようかなと思ったのがきっかけです。コロナが流行っていなかったら、ライブ配信に出会うことはなかったかもしれません。

--始めてから、音楽活動に変化はありましたか?

萩原:いままで以上に、いろいろな人に観てもらえるようになりました。配信では長く演奏することができるし、リアルタイムでコメントをいただける。お客さんとの距離が縮まったのが最高です。

--距離の近さは、ライブ配信の醍醐味でもありますよね。

萩原:はい。とくに、このインタビュー掲載もそうなのですがアプリ内で開催されるイベントに参加すると、すごい数の人が応援してくれるんです。大人になると、なかなかできない経験をさせてもらっているなと思います。子どもの頃は、部活とかみんなが応援してくれる機会がありましたが、この歳になると少なくなってきますよね。大人になってからも、応援をしてもらえることでこんなに感動することができるんだなって。

--応援の声が、よりダイレクトに届きますしね。

萩原:そうなんです。むしろ、生のライブよりも気軽に応援していただけているような気がします。入場料を払わなくても、演奏を楽しむことができますし。これだけ多くの人に応援していただけるのは、ライブ配信ならではだと思っています。

--反対に、壁にぶつかった瞬間もあったりしたのですか?

萩原:いや。もう、ずっと楽しいです。ただ、生のライブが恋しくなる瞬間はありました。やはり、スマホの画面を通すものと通さないものは、勝手がちがうので。でも、どちらも良い側面があると考えたら、すぐにラクになりました。だから、壁にぶつかった瞬間というのは、なかったかなぁ……。

--楽しい思い出がたくさんあるのですね。

萩原:はい。毎日お祭り騒ぎで……(笑)。とくに、クラシックに触れたことがなかった人が、詳しくなっていく姿を見ると、うれしいです。熱心なリスナーさんは、「この前、演奏していた曲の作曲家さんでしょ?」「ちゃんと下調べしてから聴きたい!」と言ってくれたりもして。ただ、クラシックは「アイテムの使いどころが分からない」と言われることも多いのですが……。シーンとなってしまいがちなので。

--配信がきっかけで、クラシックの輪が広がっていくというのは素敵です。

萩原:そうなんです。「オーケストラが地元に来るから、行ってみようと思う」とか、実際にアクションを起こしてくれる人もいて、やりがいがあります。

--徐々に、現場のお仕事も増えてきているのでしょうか。

萩原:もう、だいぶ戻ってきていますね。

--コロナが収束しても、ライブ配信は続けていかれるのですか?

萩原:はい。両立していきたいと思っています。ライブ配信を通して、クラシックの楽しさを届けていきたいんです。私のものに限らず、いろいろな公演に行ってみてほしくて。生のライブと、ライブ配信の架け橋になっていきたいと思っています。

--配信を始めてから、生の演奏にも変化があったりしましたか?

萩原:かなりあります。ライブ配信を通して、リスナーさんと一緒に作り上げる楽しさを知りました。やったことがないジャンルにも挑戦するので、即興やアドリブの実力は、確実に上がったと思います。この2年間は、コロナ禍で大変なこともありましたが、ライブ配信のおかげで楽しい日々になりました。

--配信以外で、やりたいことはありますか。

萩原:コロナが落ち着いたら、リスナーさんの住んでるいろいろな土地にに行って演奏したいですよ。生で、音楽をお届けしたいなと思っています。

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