2021年、世界的に急成長したアプリとは? ゲームカテゴリでは原神やウマ娘が台頭

2021年世界的に急成長したアプリとは?

猶予を与えられたApple

 以上のようにモバイルアプリ市場は活況を呈しているのだが、一方で同市場には容易に解決し難い問題がある。その問題とは、同市場の運営が独占禁止法に違反しているのではないかという嫌疑である。

 App Storeの運営に関しては、昨年8月に人気バトロワゲーム「フォートナイト」が同ストアから削除されたことに端を発するいわゆる〈フォートナイト公判〉が継続中である。今年9月に第1審判決が下り、AppleはApp Store外の決済システムにユーザーを誘導できるようにガイドラインを緩和するように命じられた。

 以上の裁判所命令の実行期限は今月9日と設定されていたのだが、ロイター通信が報じたところによると、アメリカ連邦第9巡回区控訴裁判所は〈フォートナイト公判〉継続中はガイドライン変更を猶予する決定をくだした。同公判を最高裁まで争うことになった場合、判決まで数年を要すると見られており、App Storeガイドラインは当面のところ緩和されないだろう。

 Appleに限らず巨大テック系企業は、現在何らかの訴訟に直面している。ナスダック直営メディアが7日に公開した記事はそうした訴訟をまとめており、例えばGoogleは今年7月7日、数十人のアメリカ各州の州検事総長からGoogle Playの独占的運営のために制限的な契約を交わしているとして訴えられている。

 モバイルアプリ市場は好調ではあるものも、そうした好調を支える市場の仕組みが大きく見直されようとしている。モバイルアプリ市場の法的な再考には数年を要するだろうが、再考された結果はおそらくユーザーに利益をもたらすものになるのではないだろうか。

(トップ画像出典:App Annie「2021年、世界におけるモバイルアプリとゲームの消費支出額が過去最高の1,350億ドルを達成!」より画像を引用)

(Source)
https://www.appannie.com/jp/insights/market-data/2021-end-year-mobile-apps-recap/
https://www.reuters.com/technology/us-appeals-court-pauses-antitrust-orders-against-apple-app-store-2021-12-08/
https://www.nasdaq.com/articles/how-big-tech-is-faring-against-u.s.-lawsuits-and-probes

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