SKY-HI、☆Taku Takahashiらが登壇した「NEX STAGE」発表会 gloとblock.fmがタッグを組む

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アーティストからプロデューサーへなろうと思ったきっかけ

 続いては“About Your NEX STAGE”をテーマにしたトークセッションが行われた。

 前半の「世界に通用するアーティスト育成とは」と題されたセッションでは、スピーカーに☆Taku TakahashiとSKY-HI、モデレーターに渡辺志保を迎えてのトークが展開された。

 まず、両者にアーティストからプロデューサーへなろうと思ったきっかけについて伺うと、「ヒップホップやR&B、ダンスミュージックなど、自分にとって楽しいと思える音楽がもっと日本でかかってほしいと思ったから」と☆Taku Takahashiは答えた。

 加えて「90年代に繁栄を極めたPuff Daddy(パフ・ダディ)の存在が大きく、そこで初めてプロデューサーという言葉を知った」とプロデューサー業との出会いについても語った。

 SKY-HIも「自分が見たい、聴きたい、作りたいと思えるものがなく、だったら自分で作る必要があると思った」とし、「10代の頃、ラッセル・シモンズの本に出会って以来、起業に憧れるようになった。Jay-Zの名言『I’m not a businessman, I'm a business, man(俺はビジネスマンではない。俺がビジネスだ)』にも感化されたりと、常に起業は意識していた」と述べた。

 プロデューサーとして自分の思い描く理想が見えたのは、どのタイミングだったのだろうか。

 ☆Taku Takahashiは「『m-flo昔聞いてました』という次世代の若いアーティストが、イケてるかっこいい音楽を作り、チャートインしたときに希望を感じました」と語った。

 SKY-HIは自身のオーディションプロジェクト「THE FIRST」について顧みながら、見たいものが作れると実感した瞬間についてこう話した。

 「確証はなかっただけれど、自分に相談に来る若手アーティストの話や日本の人口、ダンススタジオの数などを考えると絶対に輝ける人はいるし、ボーイズグループをやると言ったら集まってくれると思っていた。去年の10月くらいに書類が集まったのを見て、『これは思っていたことが現実になる』と確証を得た。もちろん、どのくらい規模が大きくなるかは未知数だったが、良いグループが作れることに対しては不安は感じなかった」

「予算をかけるところ」と「稼ぐところ」を明確にする

 また、プロデューサーの予算について話題が上ると、「昔はCDが売れたが、現在は音楽産業の収益構造自体が変わっているので、予算は下がってきている。どんなに音楽が人を感動させるにしても、インカムが入ってこないと会社が存続できないわけで、レーベルやサポートしてくれる企業と一緒になりながら、知恵を絞ったり色々と新しいことを模索したりしている」と☆Taku Takahashiは述べた。

 SKY-HIは「予算の考え方を変えていく必要があると思う。インターネットの発展以来、マネタイズの方法が増えていて、原盤のセールスだけに固執せずに売り上げをどう立てていくか考えるのが大事。CDバブルの頃と比べて時代が変わっているので、『予算をかけるところ』と『稼ぐところ』を明確にしておき、予算の組み立て方を柔軟にすることが求められている」と意見を寄せた。

 そして、日本と韓国のプロデュース戦略の違いについて、☆Taku Takahashiは「最近のBTSの勃興は、いきなり降って湧いたものではない。韓国の音楽業界が15年ほどの間に積み重ねてきた結果だと思っている。ひとつ言えるのは、日本人がその“積み重ね”を意識した時が本当に強いということ。NEX STAGEのプロジェクトでは昔できなかったことを、全部実現できるようにしたい」と語った。

 SKY-HIも「韓国はアーティスト兼プロデューサーが多い。現役でありながらプロデュース業もできるのが韓国の強み。だからこそ、自分も現役で新しいクリエイションを作り続け、他方で自身が代表を務める株式会社BMSGのアーティストやボーイズグループがひとつのユニティーとして動けるようにし、同じ志を持つ個人や法人とユナイトできるようにしていきたい」とビジョンを示した。

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