『Forza Horizon 6』はなぜ日本人に刺さるのか 外国スタジオが再現する“等身大の日本”

人気オープンワールドレーシングゲームのシリーズ最新作『Forza Horizon 6』が、5月19日に発売された。今作は日本を舞台としているのだが、あまりにリアリティのある景観に、日本人プレイヤーからも賞賛の声が上がっている。海外のゲームスタジオによる“日本”描写の到達点として、時代を画する作品となるかもしれない。
秋葉原から白川郷まで――凝縮された“架空の日本”
2012年に『Forza Motorsport』のスピンオフ作品として第一作目がリリースされて以降、世界中の地域を舞台にしたリアルなグラフィックによって好評を博してきた『Forza Horizon』シリーズ。その第6作目となる今作は日本が舞台ということで、秋葉原の電気街から岐阜県の白川郷まで、多くの名所が再現された。
同作で描かれるのは原寸大の日本ではなく、各地の名所が凝縮されたような架空の日本が舞台。都市部や山岳部など、さまざまな景観が詰まったテーマパークのようなフィールドが展開されている。
記号的な“日本っぽさ”からの脱却
もちろん同作以前にも、海外産ゲームで日本がモチーフにされることは珍しくなかった。ただ、外国のゲームスタジオが描く日本は、実際に日本に住んでいるプレイヤーからすると奇妙に映ることも多く、記号として誇張された“日本っぽさ”を揶揄する声も見られた。しかし『Forza Horizon 6』の中に再現された日本の風景は、圧倒的なリアリティを感じさせるものとして高く評価されている。
その評判はレースゲームに興味がなかった層にも届いており、ゲーム実況の世界でも大きな盛り上がりを見せているようだ。
「場所」ではなく「雰囲気」を再現する開発思想
『Forza Horizon 6』を生み出したのは、イギリスのゲームスタジオ・PLAYGROUND GAMES。マイクロソフトの公式サイトで公開されている開発者インタビューによると、彼らは現実の日本を正確に模倣することよりも、“雰囲気”をより重視したのだという。(※)
場所の再現ではなく、雰囲気の再現。たとえば実際に東京で車を運転した際、どのような景色が“その場所らしさ”を感じさせるか……という視点から背景を作り込んでいるのだ。
また文化アドバイザーとしてゲームに携わった山下恭子氏との綿密なすり合わせも、日本らしさの再現に重要なことだった。マップ上に「ガソリンスタンド」を1つ配置するだけでも、本当にそこに存在して不自然ではないか、山下氏と協力しながら慎重に模索していったという。
『Ghost of Tsushima』『SHOGUN 将軍』に連なる、海外発“日本描写”の到達点
たんに“それっぽい日本”を作るのではなく、文化的な背景などにも目を向けた日本の再現。ここ数年、海外スタジオによる日本描写のレベルは飛躍的に高まっており、たとえばアメリカのゲーム会社・Sucker Punch Productionsが開発した『Ghost of Tsushima』も国内から賞賛の声が上がっていた。
ゲームだけでなく他の映像作品でも、アメリカで製作されたDisney+のドラマ『SHOGUN 将軍』が、日本国内でも人気を博したことは記憶に新しい。同ドラマは脚本からキャスティングまで全てにおいて、日本の歴史、そして時代劇へのリスペクトが感じられる作品だった。
昔と比べると海外から日本に取材するハードルが下がり、文化や風土をリサーチしやすくなっていることは確かだろう。だがそれだけでなく、海外のユーザーが求める「日本観」がよりリアルなものに変わってきていることも1つの理由かもしれない。
映画『ブレードランナー』のような“なんちゃって日本”の描写もそれはそれで味があったものの、ここまで熱意をもって日本を表現する海外スタジオが出てきたことは、国内のゲーマーにとって嬉しいかぎりではないだろうか。
参照
※ https://news.xbox.com/ja-jp/2026/01/23/developer-direct-2026-forza-horizon-6/





























