『FFVII』×バトロワの相性って? 『FINAL FANTASY VII FIRST SOLDIER』に感じた手応えと課題
『FINAL FANTASY』シリーズ初のバトルロイヤルゲームである『FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER』がリリースされた。大ヒット作の『FINAL FANTASY VII REMAKE(以下、FFVIIR)』が下敷きになっていることから、これまではバトロワゲームに興味がなかったユーザーも注目しているのではないだろうか。
『FFVII』の30年前を舞台にしたバトロワ
本作では『FFVII』のおよそ30年前が舞台となる。プレイヤーはソルジャー候補兵となり、最大75人の中から生き残りをかけて熾烈な戦いを繰り広げることに。とはいえ、現状ではストーリー性がほとんどないため、『FFVII』をまったく知らない人でも十分楽しめるだろう。
プレイを開始すると、まずはキャラクタークリエイトが始まる。あまり細かな部分まで調整できるわけではないものの、簡単な操作でFFらしい美男美女を作成できる。
ただ、キャラクターボイスに関してはゲームスタート直後には1つしか選択肢がないようだ。初期設定のボイスはいかにも快活な新米兵士という印象なので、イメージと異なる場合には課金で別のボイスパターンを購入することになる。
いよいよ初の戦闘 銃よりも剣の方が有利な場面も?
キャラクターを作成し、操作方法のチュートリアルを終えるといよいよ実戦が始まった。プレイヤーは『FFVIIR』にも登場した7番街スラムに降下し、同じくチュートリアルを終えたばかりの初心者たちと戦うことに。この時点では何度倒れても復活することができるため、気楽に遊ぶことができた。
7番街スラムは『FFVIIR』の同ステージをもとにしたマップ構成になっており、同作をプレイした人にしてみれば見慣れた光景だ。とはいえ、『FFVII THE FIRST SOLDIER』ではパルクールも使えるため、『FFVIIR』以上に舞台が広く感じられる。また、バイクや車に乗れば長距離の移動もスムーズで、ほかのプレイヤーにぶつかればダメージを与えることも可能だ。
肝心の戦闘についてだが、序盤は近接攻撃がかなり強力であるように思えた。筆者はバトロワゲームについての知識はほとんどないが、なんとなく中距離~遠距離で銃による撃ち合いをしているイメージが強かった。実際、7番街スラムですれ違ったプレイヤーのほとんどは銃でこちらを狙ってきた。しかし、本作の近接攻撃はある程度相手をホーミングするうえ、攻撃力が高いことも相まってかなり強力だ。初心者の段階では銃を使うよりも剣で切りかかった方が手っ取り早く、損害も抑えられるのではないだろうか。
また、本作ではフィールド中にモンスターも出現し、これを討伐して経験値を稼げばキャラクターのレベル上げができる。ほかのプレイヤーと戦う前にレベルを上げたり、アイテムを集めたりしてステータスの底上げを図るのもいいだろう。プレイヤースキルに自信がないのであればなおさらだ。
剣や銃のほかにも、『FF』シリーズお馴染みの魔法や召喚獣も使用できる。召喚獣は呼び出してから一定時間プレイヤーと共に戦ってくれる強力な助っ人で、一気に形勢逆転を狙えるだろう。召喚獣は基本的にゲームの途中で出現する「投下物資」からしか入手できないため、ライバルとの争奪戦になるかもしれないが、ぜひとも手に入れておきたい。
5つのスタイルから自分好みの戦い方を選べる
最初の戦闘を終えると、ランクマッチや通常マッチを行えるようになる。ここからがゲーム本編といっても過言ではない。舞台は7番街スラムからミッドガル全域にまで広がる。『FFVII』のファンにしてみれば、オープンフィールドのミッドガルを自由に散策できるだけで楽しい。原作でも印象的だった教会やコルネオの屋敷にもアクセスできる。
しかし、時間経過とともに戦闘可能エリアが縮小していき、エリア外にいると継続的にダメージを受けるようになってしまう。バトロワゲームである以上は仕方がないものの、もっとミッドガルをじっくり散策できたら……と願わずにはいられない。
そして、ランクマッチや通常マッチの解禁と同時に、戦闘スタイルを5つの中から選択できるようになる。近接戦闘に優れた「ウォリアー」、魔法を扱いやすい「ソーサラー」、奇襲や隠密行動に長けた「ニンジャ」、遠距離戦闘を得意とする「レンジャー」、回復手段が豊富な「モンク」の中から選択することが可能だ。自分の好みに合わせてスタイルを選択するといいだろう。
ここからは本作をすでに長時間遊んでいるプレイヤーからゲーム開始直後の初心者まで入り乱れての戦闘となる。序盤こそ近接攻撃が強いように思えたが、いざ通常マッチを行ってみると遠方からスナイパーに狙撃され、いつの間にかリタイアすることもしばしば。
しかし、リタイアするたび、次はどんな立ち回りをしようか考えるのも楽しい。たとえば、いざ遠距離攻撃で倒されると、「自分もスタイルをスナイパーに変えてみようかな」と考えるようになった。これまではバトロワゲームをなんとなく敬遠していたものの、多くの人々が熱中する理由が少しだけわかった気がする。